マトリックスレザレクションズ感想 

 

 

 

 

池袋でマトリックスレザレクションズを見てきた。

初めて4DXで見た。最初はおいおい、大げさだなあとか思ってしまったわけですが、体験としては良かった。

 

 

○個人的に追っている人たちの感想

<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">『マトリックス レザレクションズ』(ネタバレします。注意)、エージェント・スミスっていつのまにあんな他人の恋路を邪魔しに来るサイテーの元カレみたいなキャラに…この作品、中年のロマコメだよね?っていうかむしろ『ジュピター』だろ…ちゃんと『ジュピター』やったらこうなる。</p>&mdash; saebou (@Cristoforou) <a href="https://twitter.com/Cristoforou/status/1471819267830353921?ref_src=twsrc%5Etfw">December 17, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

 

 

『ひぐらしのなく頃に卒』感想 ※ネタバレあり

 

 

感想ついまとめ。

まあ問題設定はよかったんだが、

オチはだいぶ雑だったね。。。。

 

↓のツイから始まるスレッドで感想を書いた。

 

個人的な関連記事

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シン・エヴァンゲリオン劇場版感想 ネタバレ有り 個人的アスカ総括

シン・エヴァを見てきたので感想。ネタバレ有り。といってもアスカのことだけを書きます。

 

 


『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告・改2【公式】

 

 

 

 

 

 

 

○アスカは寝取られたのか?

このことについてはびっくりしました。相手が誰か、ということよりもむしろ、ミサトさんやリツコさん、つまり「大人の女性」が象徴担当だった肉体的な描写・ドロドロ人間関係的な描写がさっぱり消えたのに対して、今回はそういうのがアスカで来たか~という感じがまず先にありました。裸にノーリアクションだったときはまあ衝撃でしたね…… そういう意味ではまず、アスカが「大人になった」、遠いところに行ってしまったんだなあという寂しさが何よりも先にきましたね。

とはいえ、私は別にLAS派*1というほどの強度は持っていないにしろ、「レイ派かアスカ派か?」と問われれ何の躊躇もなくアスカと答えるアスカ派なので、アスカとシンジの絡みは結構好きでしたので、どうしてこうなった感はなくはない。が、新劇場版のアスカは独立した人間としてかなりキャラが立っていたので、まあ個人的にはアスカを好きで居続けるのは全然難しくないと思いましたね。

○アスカのどういうところが好きだったのか

シン・エヴァのアスカはやはり、ミサトからも信頼される「仕事人」としての側面がすごく強調されており、ようは普通に独立したキャラとしてかっこよかったのですよ。そのあたり、旧劇以降「負け癖」がついてるなあという印象はどうしてもあるわけですが、まあ勝ち負けよりもアスカの覚悟にしびれましたね。私は自己犠牲とかが好きなので、アスカの捨身の頑張りを見れただけで良かったですよ。

元々アスカのどのあたりが好きだったか整理してみると、下のような感じでしょう。

・テンション高い(躁っぽい感じ)

・前線で戦う存在である(働くひと。少佐)

・家庭的じゃないところ(開明的な感じ?)

というところでしょうか。まあなんか私の母っぽいんですよね(なんやねん突然)。私はマザコンですがレイには全く惹かれなかったわけですが、やはりマザコンの対象となる母親が働くひとだったという影響が大きいんだと思うんですよね。まあ冷静に整理すると、私はアスカに母性を見出していたわけですよ(!!!)。

なのでまあ、アスカがなんか異常に古臭くダサく描かれている家産的生産活動に一切参画せず「守る存在」とか言ってたり、サクラさんに仕事引き継ぐときの急に軍人に戻る瞬間だったり、第13号機相手になんの躊躇もなく相打ちを狙いに言ったりと……まあ、そういうところが私にとってアスカラブの基幹的な部分だったので、あんまダメージなかったな、というね。

○アスカの着地

アスカが幼年期に、家族に囲まれるシンジを見たことがあったというのも非常によかったというか、二人の断絶・違いを示すようで面白かったですね。アスカがなんだかんだ「一人でやっていく存在」というのは新劇場版では終始強調されており、例えば加持さんにも依存してないし、ミサトやマリとの距離感もまあある程度意識的に取っているわけですよね。まあ青春における唯一の例外がシンジだった(昔好きだった)というわけで、多分そういうものとして終わってくれればよりよかったのだろうと思います。一人でも生きていける強い存在としてのアスカが真に完成するというか。

なので、やはりぬいぐるみから例の彼が出てきたというのはかなり描写として大きいわけですね。あのぬいぐるみとの対話がアスカの孤独性の象徴だったわけなので。ケンスケの「家」に漂着したというオチがうーむ、という。まあただ結局、例の彼に依存していることを示すのか、長い人生の中でいい感じのやつが見つかったからとりま一緒にいるくらいの温度感なのかでいうと、基本的に後者なんじゃないかと思うわけですね。出撃の前に会いに行くのはシンジだし、捨身攻撃の前、例の彼を思い出すわけでもないし(ミサトさんのケースと比較せよ)。まあそういうわけで、最後の着地はアスカの依存を示すわけではないという判断を私はしています。そういう意味でアスカ性の毀損はあまりなかったと思っていますね。

○まとめ

全編通してアスカはカッコよかったのでアスカファンとしての僕は満足なのでした。

*1:Love Asuka Shinjiの略。つまりはシンアスカプ厨のこと

EP7で決着は着いていた。『STARWARS/スカイウォーカーの夜明け』感想(ネタバレあり)


映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』最新映像 “エンド編“

 

 フォーラムで見た。フォーラムってなんだよ(笑)

 まず、EP7視聴後に、ある程度新三部作の行くすえについて予想?を書いていたので、まず引用する。この文章はそういう意味ではある種の答え合わせ的な位置ずけとして残しておく。あと最後に、「僕の考えた理想のEP9」を書く。なお、細かい設定上のあれこれは指摘してる人が500億人いるのでそちらに譲る。あと昔の私めっちゃ熱量あってワロタ。

 
一部引用。

 カイロ・レンは絵にかいたような「家父長制内面化失敗男子」である。つまり、甘ったれていて、幼なく、未熟で、その上いじけ癖と癇癪持ち、しかも親を幻滅させるのが得意、というキャラクターとして描かれているわけで、悪党キャラクターというよりも、むしろ主人公とぶつかって改心される枠である。こいつを敵として引っ張る意味はあんまりない。


 なぜなら、まず第一に、今作の主人公はレイなのだから、レイの敵キャラはもっとオーソドックスな強キャラ=乗り越えて意味がある壁として設定するべきだ。だって、そういう単純さこそがスターウォーズの魅力、分かりやすさなわけじゃないですか。カイロ・レンのような未熟な坊やとの戦いを通して、レイは何を学べますか? え? ぐずってる子どものあやし方とか? それこそ差別的だろう(耐え難い差別だ)! 

 第二に、カイロ・レンを引っ張るということは、スターウォーズ新三部作を「強い女の子との戦いを通して、いじけ男子が改心する物語」にするということを意味しているわけで、いや、それはスターウォーズの仕事じゃないだろ、何がどう間違っても! と私はどうしても思っていまうわけである。一応言っておくと、「強い女の子との戦いを通して、いじけ男子が改心する物語」、私は個人的にとても好きだし、カイロ・レンもキャラクターとして単体で見ればとても魅力的だと思うが、スターウォーズという極めて公共的な作品にそれらが必要か、という点で考えると、どうしても疑問符がついてしまう。だってねえ、そんなん見て喜ぶのは一部の自信がない男性諸君だけじゃないですか。スターウォーズは子どもとか、それこそ女性が見ても楽しい作品であるべきなんじゃないんですかねえ?

 一応整理すると、上に書いたことの論点は二つである。

・論点1 カイロ・レンは主人公レイの敵役として適切かどうか

・論点2 カイロ・レンが改心する物語でいいのか

 

  結論としては、論点1については私は間違っていた(つまり新三部作は立派だった!!)けど、論点2についてはやっぱりどーなのという気になってしまう。

 まず、カイロ・レンが主人公レイの敵役として適切だったのかどうか。これについてはEP8から、カイロ・レンとレイが共闘したり、あるいは心を通わせたり、という話に変わったのでまあそこは上手くやったのではないか。結局スノークパルパティーンを倒せたのは二人の力による物だしな。まああと冷静に考えて、この枠組みで解釈すれば旧三部作だって「父親が改心する物語」とも読めるので、まあこの構造自体は別に問題視しなくて良い、という感じだ。カイロレンとレイを対置するというアイディアは悪くなかったし、結構機能していた*1

 一方、論点2についてはだいぶ終わっている。正直、「だから言ったじゃないか!」と言わずにはいられない。EP7見て新時代の女性ジェダイ云々とか言ってた人は反省してほしい。しかも最後キスしてたしね。シェイクスピア研究者のsaebou先生も怒ってたけど、カイロレンは「新時代の女性主人公」とキスしていいようなキャラクターとして設計されていないんですよ!!!!! 最初(EP7)からね!!! まあ頑張って良いところを見つけるとすると、カイロ・レンがハン・ソロと対話し、ベン・ソロに戻ったところの演技はすごく良かったよ。私は和解シーンが結構好きなので甘くなってしまう側面もありますが。。。

 

 あと、別途これだけは言いたいのだが、作劇の仕方としてお使いクエストが雑だった! なんでこんなに雑に感じたのだろうか、やっぱり知らない話がどんどん出てきたからだよなあ。例えばEP6では、「シールドが完成する前にデススターを叩く!」「やっぱりシールドがあったのでエンドアの月にあるシールド発生装置を破壊する!」という流れがあったたし、EP8では「ハイパースペース航法では逃げきれない!」「トラッカーを切る!」という一連の流れがあってわかりやすかった。やりたいこととやってることの因果関係が明確というか。一方EP9はすごいお使いクエストの連続感があって、スピード感はあったけど見ていてすごい疲れた。まず話の出発点がわかりにくい。上記2例は単純でわかりやすいけど、EP9は「エクソゴルに行く!」から始まる。うん、なんだっけそれ? もちろん、スターウォーズの醍醐味の一つは宇宙探検なので、どこか謎の場所に行くという問題設定自体別に良いのだが、最初にカイロ・レンが行ってどういう場所か分かってるので、まあそういうワクワクはない。あとは最終的にカイロ・レンくんのファイター奪って目的地に行っちゃうのは正直ちょっと寂しかった。もっと各メンバーの努力が報われないと、クエストの単調さもあるし、レイの独り相撲感がだいぶ強くなってしまう。

 

 じゅああどういうEP9が見たかったのか。個人的にはやはりEP8の流れで、壊滅した同盟軍を再組織するところを見たかったなー。辺境惑星の謎エイリアン艦隊を味方につけるべく交渉したり、モン・カラマリにおける造船ドックで新しい艦隊を建造したり、元老院を再結集して反ファーストオーダーの旗幟を掲げたり。再組織を描いてこそ、新三部作が頑張ってきたマルチヒーローシステムが光るというものでしょう。組織作りとか外交という面は、戦闘に比べて人間模様とか武力以外の多様な貢献のあり方とかが描きやすいし、何より、そういった「共和国体制においてジェダイが伝統的に担ってきた役割」を、非ジェダイ人材でもこなせるんだというメッセージこそ、新三部作において必要だったんでは???と強く思う。そもそもEP7、EP8は、マルチヒーローシステムというか、旧作品群においてルーク一人が担っていた役割(パイロット業務とか謎惑星冒険業務とか勇気を発揮する業務とか)をポーやフィン、あるいはレイアやローズなどに分散させて、チーム、協力、多様性の尊重、などなどの重要性を描いていて、これはだいぶ良いことだったはずだ。そういう良さを殺してしまって、むしろレイというキャラクターが全てを解決してしまう方向性に行ってしまったのが非常に残念だった。

 

 

 

 

 

 

 が、である。実は私はこの映画を許してしまっている。何故ならば……

 あのアソーカ・タノがクレジットされていたからである!!(声だけ出演)

 いやね、EP9の「ファンダムに媚びてる感」をいうのであればこういうところだと思うんですよね、ほんとずるい。悔しいけど、アソーカがレイを応援したならね、僕もね、しますよ(吹っ切れた表情)。彼女が正史(非スピンオフというニュアンスで使っている)に初めてクレジットされた作品なんだからね、もうね、100点満点なんですよ……EP9はね。

*1:まあ私もね、嫌いじゃないんですよ。むしろ好きなんですよ。だけどそれをSWという公共物でやるか、というのが論点なわけですね。

クリエイターを愛するオタクのお話 冴えない彼女の育て方 Fine感想(ネタバレあり)


劇場版「冴えない彼女の育てかた Fine」予告編 冴えカノが完全新作でついにシリーズ完結へ!

 

 さえかの劇場版を川口MOVIXで見てきた。モール映画館を8000年ぶりに訪れたが、なんかこう、やはりモールは中流民の聖地だなあというのを感じた。家族の考え方に対してガバガバ(多様性が認められてきた)になってきた現代社会のゆるふわ感に感謝した。

 劇場版は主人公の倫也くんの所属するサークルが『冴えない彼女の育て方』というADVゲーム(オブラートに包んだ表現)を無事世に送り出すまでの流れを描いている。お話は
・倫也くんと加藤さんが付き合い始める。
・詩羽先輩と英梨々さんのピンチを倫也くんが支援する(自サークルおよび加藤さんを放っておいて)
・色々揉めたものの、倫也くんの支援で詩羽先輩たちは危機を乗り越える。今度は逆に、詩羽先輩と英梨々さんの倫也くんのサークルを支援する。
・詩羽先輩と英梨々は倫也くんが加藤さんと付き合い始めたことを受け入れて前に進んでいくことを決意する。
・エピローグで、ゲーム会社の経営者として大成した倫也くんが、かつての仲間たちを集めてゲームを作ることが決まる。
という感じのストーリーラインになっている。


 作品として描きたかったこととしては、まずは①倫也くんと加藤さんのイチャイチャしているところと、あとは、②サブヒロインが現実を受け入れ前に進んでいくところを見せる、という感じだろうか。その試みは結構成立していたんではないかと思う。

 制作しているゲームのシナリオを経由して登場人物たちの関係性が移り変わってゆくのはなんとも奥ゆかしい演出だし、この作品ならではなのでおもしろい。加藤さんに対するメール文の名前だけ置き換えてエロゲのテキストにしちゃうところなど、演出的なおもしろさはすごくある。詩羽先輩や英梨々たちが「ルート」などのエロゲ語彙を使って自らの恋愛を語ってしまうのも奇っ怪さと奥ゆかしさが両立していて好みの描き方だ。倫也くんと加藤さんのイチャイチャも、基本的にはゲームの参考、という体で進んでいくのでいじらしさがある。

 劇場版を見てよかったところというか、もう一つ気が付かされたところは、やはり「さえかの」はクリエイター愛の物語なのだよなあ、というところだ。主人公になんの専門性もないじゃないか、というのはこの作品に対するツッコミとしてよくあると思う。ただ実際は管理的なスキルは結構な専門性なので、倫也くんのプロマネ的専門性みたいな方向性を強調すれば普通の成長物語としておさまったような気もしている。しかし実際そういう役割はあまり強調されておらず、あくまで倫也くんは、クリエイターを信じる人間として描かれる。そういうのが最高潮に達するのが、倫也くんが詩羽先輩と英梨々を助けにいくろころだ。ここは作劇の仕方としては全く褒められたものではないものの(脈絡のない高坂さんの病気と、倫也くんが情熱で企業を説得、というギミックで状況を動かすのは作劇としてはお粗末だろう)、私は個人的には結構納得できる流れだった。この作品におけるクリエイターVS何者でもない消費者みたいな枠組み回帰を感じたからである。。あくまで非クリエイターとしての倫也くんだからこそできてしまうことだったんだろうなと思った。

 各ヒロイン、特にサブヒロインがめっちゃ魅力的なので、もうちょっと若ければハマれた作品だろうと思った。ちなみに、私はリベラル派なので(スタッフの笑い声)結構家事労働強調されていて「うぉおお」ってなったのだが、この作品ってベグデルテスト突破するのか結構微妙でもにょった。基本詩羽先輩と英梨々が二人で商業作品の話するシーンはありそうで実はほぼ無いような気がしている。最後詩羽先輩と英梨々が坂をのぼっていくシーンは辛うじて通るか。。。? でもやっぱり倫也くんの話といえばそうだしなあ……クリエイターとしてのキャラクター同士の掛け合いはさえかのですら出すのは案外難しいんだなと思った。

キスよりすごい建国神話がここにあった。劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVEキングダム感想(ネタバレあり)


「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVEキングダム」スペシャルライブPV 第2弾

 

 豊洲ユナイテッドシネマでうたプリ劇場版を見て入国してきた。というか豊洲エリア、土地の使い方ほんと贅沢だよな……建物広すぎて最初映画館がどこかわからんかったわ。ただスクリーンデカかったのはよかった。

 

 作品としてはライブ形式の映像で、基本的に①ナンバーが入って②その後出演者によるMC(ふりかえり・まとめトーク)という構造になっていて、①~②が繰り返されることによって進んでいくスタイル。そういう意味では今までみた映画とはまるで趣向が違った。何気に人生初ライブだったので色々と新鮮で面白かったのだが、特に②のMCパートは存在を想定していなかったので(普通にナンバーが流されまくる作品だと思ってたので)興味深い発見だった。最初にMCが入ったときは「いや、話もいいがどんどんナンバー流して……」とか思ってしまったが、ライブが進むにつれ、MCで休憩入れないとこっち側のボルテージが上がりすぎて心臓破裂しますねこれは…… となった。まああと振り返ってみると、キャラ萌え的にもMCは必須だったかな。

 

 作品を通しての一番大きな感想は、この映画(というかライブ)はなによりも三年間待ち続けたファンに向けられたものなんだな、というところ。私は4期まで見終わった次の日に入国したため、どこかアニメの延長という位置づけで「1期のライブみたいなのを大画面で見れたら派手だろうなー」くらいの、言ってしまえば軽い気持ちで見に行ったわけですが……そういのじゃないですねこれは! これは「ずっと会いたかった……!(そして会えた!)」的な感覚で見るべき作品なんだろうなーと思った。ナンバーが全部(多分)新曲なところとか、アイドルたちが常に「みんなのおかげでやってこれた」を強調してるところとか、最高の再会を提供してやるぜ……という制作陣の覚悟というか責任感の強さを感じた。少なくとも1期EDの「マジラブ1000%」くらいは流れるものだと思って行ったのだが、アニメ版の曲とか歌ってる場合じゃないのです!って感じでしたね。まあ、じゃあお前楽しめなかったかよというと……もちろんそういわけではない。めちゃくちゃ楽しめたのだが、しかし、3年間「溜めて」いたら王国での再開にまた別種の感動があったんだろうなーーーとどうしても思ってしまった。年季が足りない!!!

 

 というわけでセトリにそって感想をば……ほんとはキャラごとの横串でやりたいがそれはまたの機会ということで。なお好みの濃淡が感想の分量に現れてしまっているが、一旦目をつぶることにする。

 

・嶺二先輩からの諸注意

 こういうのさあ……オタク的に嬉しいよなほんと。嶺二先輩はゴリゴリのリーダーシップを発揮するようなひとじゃないけど、3グループの代表張れるのは彼くらいだよなあと思った。後は嶺二先輩だとあんま説教臭くならないのがいいすね。

・オープニング

 まず、背景がロンドンなのであった。これはおそらくキングダム=イギリスという割と安直な連想なのだとは思うんだが*1、霧の街ロンドンというロケーションは演出的には結構よかったんではないかと思う。というのも、テーマは「再会」なので、真打ちをちゃんと画面に映すまで観客を思いっきり焦らす必要があると思うのですね。だとすると、「霧のかかるロンドン市内」×「足元だけ映す」という仕組みでキャラを直接映さず、我々がふわっと持っているイメージとしての霧と演出上の霧の掛け算でキャストの顔を隠すというのはかなり上手いと思った。

 そんな感じで、もう散々待ったんだから焦らさないでくれ……! 足元を映すだけでキャラ性分かるとかそういうのいいから……早く顔見せて! となったところでキャラ紹介に入るのだが……はい。劇場版の常として、正面顔を見せられるとあれ、こいつこんなにかっこよかったっけ?となってしまうアレな。みんな輝いてましたね。

・ファンタジック☆プレリュード(ST☆RISH

 オープニングナンバーを飾る曲。オープニングナンバーは作品を象徴するので、どういう曲を持ってくるか結構難しいと思うのだが、個人的にこの曲で「あーー三年前の俺ーーうたプリ見とけ!!!!」となった。これ三年越しで聞けたら泣けるだろうなあ……王国にようこそっていうか、王国におかえりという、そういう感じだった。

・THE WORLD IS MINE(QUARTET NIGHT

 僕はスターリッシュに対する贔屓目を抜きにすると、グループとしてはカルナイが一番好きです(全ギレ)。 この4人は喧嘩→和解という手続きを他グループに比べると結構真面目に踏んでいるのと、人数が少ないのもあって、グループとしてすごいまとまっていて好きだ。あとやはりST☆RISHという存在に対してどうしても2番手的になってしまうところがあると思うのだが、そこに甘んじない強さというか存在感というか、一周回った雑草魂みたいなものにすごく惚れてしまう。私がアニメ版でめちゃくちゃ好きなシーンの一つは、いつもST☆RISHがやってたエンディングのライブパートをカルナイが奪ったやつなのですよ(確か3期のヤツ)。あれはしびれたな……。今回も歌うの2番目だったけど存在感抜群だった。最初アカペラの合唱から入ったので「うおおお! お前らの絆感じるぜえ!」となった(錯乱)。あと黒崎さんが「ナンバーワンもオンリーワンも俺たちだ」って言っててほっこりした(*^^*)。

 あとですね、まず黒を基調としたコスプレがかっこいい。襟強調してるのほんまおしゃれ上級者や。しかも帯剣してるし、しまいには抜刀するし! いやですね、男性同士が抜刀してビシバシやるのは結構「ヤバイ」比喩表現だと思うんですが、でもああいうのってST☆RISHとかHE★VENSみたいな身内バトル少なめの人たちだとちょっと刺激が強すぎてやれないと思うのですよね。比較的大人系で、かついつもじゃれ合ってるカルナイだからこそOKなラインに乗るというかそんな感じがした。雷も落ちて派手やった……。あとこう、妄想かもしれないがオープニングナンバーに比べてカメラまわしが比較的アクロバティックな気がしており、躍動感がすごくて引き込まれてしまった。

・GIRA×2★SEVEN(HE★VENS

 僕はスターリッシュに対する贔屓目を抜きにすると、ライブパフォーマンスとしてはHE★VENSが一番好きです(全ギレ二回目)。なんだろう。まずコスプレの統一感がかっこえかった……原則として、この作品におけるコスプレは雰囲気似てるけど一人ひとり微妙に違っていておしゃれな感じだと思うのだが、HE★VENSの最初の青コスプレはかなり統一感があったと記憶しており、好き。やっぱHE★VENSの特徴は他グループに比べて明確にリーダー枠がいることだと思うのだよな。リーダーシップのもとに統率されてる感が好きなのですよ私は。瑛一くんの指パチンですべてが始まる感は、やっぱり他にない心地よさがある。

 もうちょいコスプレの話をすると、HE★VENSはブーツとか革靴じゃなくてシューズなのもずるい。確かにHE★VENSは他のグループに比べるとカジュアルっぽい格好でステージに出たりするのよな……私は正装の方が好きな人ではあるが、HEAVENSのカジュアルっぽさというか、若干崩してくるところはカッコいいなーと許せてしまう。そういうふうにちょっと崩しておいてダンスとか歌がキレキレだから、そのギャップがいいのかもしれないすね。HE★VENSなんかに負けないんだからね!→カッコいい……となってしまうので毎回悔しい(敗北)。人生は一度さ、冒険しないかー♪がまだ脳内でリフレインしている……

 ちなみに歌詞で「恋よりもすごい歌」というフレーズがあるのだが、これはうたプリ原作のキスよりすごい音楽って本当にあるんだよADVというフレーズを意識したものであると思われ、本来ST☆RISH側が使うべきフレーズだと思うのだが、そこを颯爽と奪っていくのがかっこよかった(敗北済み)

 

↓ここから劇場版用のクロスユニット(正確な言葉遣いかわからんけど許せ)のナンバー。

・Up?Down?Up!(音也・藍・ヴァン)

 第一印象。HE★VENSから来たのが桐生院さんで良かった!!! って感じですね……。4期見終わった直後なので、音也くんのメンタル絶対保護するマン!と化していて、どうしてもそういう視点で音也くんを見てしまう側面が強い。やはり音也くん×HE★VENSというと、4期のアレがトラウマとして蘇ってくるが、曲者が多いHE★VENSの中で桐生院さんはフランクな人間なので音也くんも落ち着いてやれるな、と安心できた。あと何気に、はるかさんにすぐ「好きだ」とか言っちゃうキャラ性として2人は共通点がある気もする。そういう意味で平和そうでよかった……本当に……音也くん平和に暮らせ。そして明らかに自己管理ガバガバそうな二人組に美風先輩という立て付け、いいですね。安定ですわ。お姫様だっこを提案したのはあんたかい……となったが。ただコスプレはちょっとDQN風味だったのでもっとちゃんとした服を着てほしかった(そこか!?)特に美風先輩には常に正装でいてほしいですよ!!

・エゴイスティック(那月・蘭丸・瑛一)

 僕、那月くんの良さがわかった!(にわか)となったナンバー。私はST☆RISHの中だと那月さんだけはどうしても興味が持てなかったのだが、やっと興味が持てた。まず、直前の音也たちのコスプレがダボダボ系だったのに対してピチピチの服だったので、かなり「身体性」が強調されていたと思う。結果、那月くんじつはめっちゃガタイええじゃないか~~!!!!という事に気がつかされてしまった。あの長身から繰り出されるダンス、すごい迫力あった。周りの二人が唯我独尊の大物キャラだけど、その二人に負けない存在感を放っており、うーん、正直見直しましたね! 実際、黒崎さん・瑛一くんと並べられたら那月くんに勝ち目は無いと思っていたのだが……那月くんも男ということですねえ(?)。

 あと、鳥かごを破壊するという演出はたしかにメッセージ性があってよかったですね。黒崎さんが自分重ねてるっぽい感じがエモかった……黒崎さん一番好きだ。。。

・Feather in the hand(真斗・カミュ・瑛二)

 エゴイスティックに比べて「身体性」の強調がほぼ皆無のナンバー、と思った。そういう意味では対比が効いている。コスプレも重層的だし(厚着だと体型わからんよね)、せまい塔の上に突っ立ってるから動きも少ない。が、多分それが正解なんだろうなと思った。基本的に「身体」と「概念」は対立構造になってしまうので、身体性を極力排除することによって、彼らはアイドルとしてより純粋な、真に抽象的な神聖概念となった……って感じのナンバーだと理解した。このナンバーだけ神聖力が高すぎる……まあこのメンツならこういう感じにまとめるのはいいアイディアですわな。ただ、せっかくのライブなので、もっと体使ってほしかったというのが正直なところではある。カミュが猫かぶって喋ってるのには笑ってしまったw 

・相愛トロイメライ(レン・嶺二・綺羅)

 レンさん推しです(全ギレ三回目)。しかも嶺二先輩と同じグループとかやばいすね。ちなみに、私の中でレンさんと嶺二先輩は隣に並べたいキャラクターナンバーワンである。長くなるけど理由を書く。まず、レンさんは余裕かましてるように見えつつ、なんだかんだ言って結構人と張り合ってしまうキャラだと思っている(例えば、スマホCMのときは翔・セシルとガチでバトってしまうし(これはほんと意外だった!)、4期で桐生院さんに負けそうになってムキになったりとかしてた)。そういう意味で、キャパがそんなに多くないというか、実はいっぱいいっぱいなところがあるというか。1期での荒れっぷりも一番やばかったし、実はクッソ繊細なところもある。対して、嶺二先輩は底なし系のキャラでガチで常に余裕を持っているように感じる。カミュとはまた違った水準で「先輩の本気ってどんなもんなの?」と常に思わせられてしまい、キャパの全容が全然把握できない。そういう意味で嶺二先輩は底なし沼みたいな人でもある

 そういう二人だと思っているので、言葉遣いは悪いが、レンさんが嶺二先輩と張り合ったらほんっっとメンタル的にキツイやろなと思うのですよ。レンさんからすれば全力を出しているのに、嶺二先輩はのらりくらりとしながら高い実力を発揮していて、努力しても努力しても嶺二先輩に追いつけるかこれよくわかんねえな……、みたいな、嶺二先輩の沼にハマっちゃいそうな感じがあり。

 私はこういう関係性が好きなので、レンさんの隣に嶺二先輩いてよかった~~~~~~!!(邪悪な感情)となってしまった。レンさんには悪いが……すまん、本当に良かったですよ! レンさんのムッとするところとか!

 ナンバーの話を少しすると、私はこういうストーリー性がありかつ不穏な感じのステージパフォーマンスは好きなのであった。MCでの劇っぽい語りとかも含めて、若干Sound Horizonがやってるようなパフォーマンスで得られるようなよさみがあったですね。ただ、最後マントというかコートをキャストオフする演出があっても良かったかなと思った。というのも、あの衣装はカッコいいけど、ダンスの動きをちょいわかりにくくしていると感じた……。

※なお、私は無口キャラはよくわからないので……綺羅くんすまん。

・Colorfully☆Spark(翔・ナギ・シオン)

 このナンバーはあまり理解できなかった……。私は所詮男性なのでこういう水準でかわいいという評価にはなりにくい……はずだが……なんだ、この心の奥底がむず痒くなる感じは……

 もし何か言うとすれば、翔くんをカワイイ枠で使うのはどうなんだろうか、ってところだろうか。私としては彼にスケボー乗ってほしかったのだが!!!!!!!?(全ギレ四回目) 翔くんの代わりにセシルを配置しておけばよかったのではないですか!?(カタコト) といいつつ、セシルはシオンくんとはアニメ版で組んでるからなあ……難しい。

カレイドスコープ (トキヤ・セシル・大和)

 ライブで一番盛り上がるナンバーの一つではないでしょうか。 謎動力のスケボー……これ、3つしか作れなかったんですかねえ???? あまりにもかっこよかったんで、スケボー量産して全員でスケボー乗ればいいじゃん!!??? という感想しか出てこない……。

 なお、直前で「翔くんがよかった」とか書いたが、トキヤくんとセシルがスケボー枠で良かったとも思っている(どっちだ)。というのも、翔くんとか大和くんは運動神経抜群系で推しているキャラクターなので、そういうキャラクターをスケボー載せても、まあ退屈と言えば退屈なのですよ。そりゃそうだね×10、となってしまうので。対して、トキヤ、セシルが持っている良さというのは、身体性というよりもむしろキャラとしての誠実さだと思っており、誠実なのに体も動かせるとか相反するよさみがアウフヘーベン(?)しててヤバくなっていた。たしかにMCの内容も「練習頑張った」みたいなテーマ性になっており、トキヤくんセシルくんのよさみが、誠実さという人間性の部分をベースとして、身体性という方向性に引き出されており、大変おいしかったと思う(EDで練習シーン映ってたしね)。でも本当はスケボー18個量産するべきだったと思う。ほんとに。

 コスプレの話をすると……一番好きかもしれん。サッシュ(肩にかけてるリボン)がめっっちゃ好きな人なので、襟付き服ボーナス×サッシュでコスプレ点がめっちゃ高かった。シャツが複数色スプライトでかつ縦縞のサッシュとかオシャレ神かよ……普通そんなん破綻するだろう……あとさ、サッシュの色合いがフランス国旗色なのもよかったですよ。サッシュは好きであるものの、とはいえ彼ら3人にはちょっと権威主義的過ぎるアイテムのような気もしたのだが、自由・博愛・平等の色を使ったサッシュだからさわやかで、バランスが取れており最高やった(感涙)。

 

↓ここから各グループごとのナンバー。

 

・愛を捧げよ 〜the secret Shangri-la〜(HE★VENS

 曲はHE★VENSのが一番好きかもしれない。派手さと落ち着きがいい感じでアウフヘーベンしててヤバイ(2回目)。3人ユニットの後の7人グループパフォーマンスだったので、迫力がやばかった……上の方でも書いたHE★VENSのいいところが全部出ていた。こういうシックなのやらせたらHE★VENS一番いいすね。

 まずコスプレが良い。騎兵服! 騎兵服キライなヤツとかおらん。騎兵服は肋骨型の刺繍がボタンホール周りに入るため、装飾的な刺繍は胸の上の方に来てた。他のグループは縦の刺繍だけなので、唯一のダブル刺繍だからHE★VENS優遇だな!!(謎理論) あと騎兵服はマントがカッコいいのだが、シオンくん風のマントが一番好きだった。

 ナンバーの演出としては、なんか途中でステージがクレーン(なのかわからんけど)的なもので吊るされて空中輸送されるところがあり、そこだけカメラが真下から見上げるような入り方になっていて謎だった。アレにはどんな意味があるのか識者に聞きたい……なんらかの性癖に関係しているのだろうか……

・FLY TO THE FUTURE(QUARTET NIGHT

 ライブで一番スキなナンバーだったかもしれない。ステージの作り込みというか演出がなんか限界突破しているような気がする……。なんですかあの時空系召喚技は。。。時空系は最強論議においていつも最強判定されるからな……やはりカルナイ最強か(どうでもいい)まあ、カルナイは4人なので、どうしても7人ダンスと迫力バトルをすると一歩譲ってしまう側面があるような気もするが、全然負けてないですね!! 

 このナンバーはなんか「Fry to the future」部分がコールというか合唱レベルでみんな声出してたのですごくエモかったです……(私も暗記していれば……悔)。3年ぶりということを考えると、この歌詞って正直ST☆RISHあたりに歌わせた方がいいんじゃなかろうかまで思ったが、そこを自分で歌っていくのがカルナイですよ! カルナイ好き。

 MCのとこでカミュが本性出したときはめっちゃ盛り上がってしまった。カミュがおいしすぎる。

・ウルトラブラスト(ST☆RISH

 燃えすぎてヤバイ!!いろんな意味で! まああれか、あの会場には水出る機構もついてたからいざというときは消火もできるのか……(そういう話ではない)正直、すでにHE★VENSとカルナイで盛り上がり切っているところにこれなので、ドキドキがヤバかった。自分の心臓の音を聞くのはいつぶりだろうか……というくらいの盛り上がりだった。

 このナンバーはST☆RISHメンバーの覚悟というか責任感みたいなのが伝わってきて、そこがすごい好きだった。

・胸に灯せ 消えない夢を

星の名の名乗るなら、煌めき歌え!

 ↑みたいな、こういう責任感あふれる歌詞がすきなのですよ。そして応援してくれたファンに対する感謝が溢れており、一緒にやってきたな……という感慨に浸れそうだなと思った。3年間溜めて見てたら泣けただろう(お前ST☆RISHの感想そればっかかよ(本当にそう思うからしょうがないのだ……!))。

・マジLOVEキングダム(全員)

 1000パーから今日まで、のところめっちゃ感動した。。。。。。これが歴史の力である。でも3年間ためてから聞いてたらもっと感動だったろうな(しつこい)。ちなみにここは各グループが別グループのサイン(手の動き的なやつ)をやっており、なんか、お前ら本当に和解できたんやな……(感涙)という気分になった。

 あとこのナンバーで語るべきは、途中から汽車が登場するところだろうか。あの牽引車両が登場した瞬間「え!!!君たち帰っちゃうの!!!??」的な寂しさが押し寄せてきて辛かった……。一応映像的なお作法としては、汽車が走り出して始まった作品なので、汽車に乗って退場するのはすごくキレイだとは思うのだが、でもまだ帰らないでくれよ、という感情が爆発してしまった……。でも最後全員集合で決めてたのは最高だったよたしかに……。18人もいたら迫力あるよほんと……映画館で見れてよかった。

 

・Welcome to UTA☆PRI KINGDOM!!(全員)

 というか開始週はこのアンコールなかったってマジですか? アンコールなかったら寂しすぎて死んでしまうのでは……正直情報量多すぎるのと、ええ終わっちゃうのか辛いよ感でちゃんと細かく見れてないが*2、アンコールなかったら寂しすぎて鬱になってましたねこれは。(いずれにせよ鬱になるけど……)

 

 というあたりがセトリベースの感想。

 

 個人的に、初めて声だしOK上演に行って、詳しい方から「無法地帯」という話も聞いていたので緊張していたが、見る人のマナー普通によくて楽しかった。活気もあったし。しかもなにげに私もちょっと声は出したのですよ。最初のきんぐだーむ!! ってやるやつと、嶺二先輩に「まいぼーい」ってやってもらうところと、あと声出しではないが最後の拍手。みんな最後拍手してて、劇場の雰囲気はとても良かった。視聴環境はみんなで作るものだと思うのだが、そういう意味で責任感というか、自分たちの活動で作品をもり立てていこうという意識のあるファンが多いコンテンツなんだなと思いましたね。

 あとは今後、どういう風に作品が展開されていくのかというところはみんな気になっているんだろうなと思った。確かに永遠に続くモノは無く、これはコンテンツだけではなく人間関係とかも含めてそうだとは思うが、だけど人間の心の中には情熱の炎がある。これを燃やし続ける執念があれば永遠は作れる。今回キングダムで見せてもらった素晴らしいパフォーマンスは、つまりはそういった炎を燃やし続けたファンたちの情熱を映している鏡でもあるんだろうなと思った。

 うたプリの歴史と、それを支えたファンの皆様に敬意と感謝を捧げたい、そう強く思わせてくれる作品だった。

*1:何か私が知らない設定あるのかもしれんけど

*2:ここは何回も見るか推しだけ見てないと何も把握できないと思う……

GoTS8E5感想【ネタバレあり】「お前は鐘使っちゃだめだろ」という感情


Game of Thrones | Season 8 Episode 6 | Preview (HBO)

 

ゲーム・オブ・スローンズS8E5を見た。うん、落ち着いて考えると、やっぱりいい話だった。デナーリスの「狂王化」、脈絡ないと言われてるが、やっぱりそこについてはちゃんと書いておきたい。

 

二回目見て思ったのだが、まず鐘を鳴らしたのはサーセイの指示であることに気がついた。根拠としては

・そもそも理屈として、城としての降伏宣言ができるのは玉座に座るサーセイのみ。ロバート・バラシオン反乱時における「狂王」のときと同じ構造。

・ほぼ趨勢が決したとき、市民の「女王に伝えろ!」みたいな叫び声が聞こえる。ということは、鐘をならせるのはサーセイということになる。

・鐘が鳴らされる前後はサーセイがアップで映される。サーセイが「鳴らして」と言った瞬間だけ映さない演出のように見える。

というあたり。

一回目みたときは、なんかサーセイが鐘をならしたという意識がなかったのだが(市民がかってに?鳴らしたんかなーみたいなのりがあった)、明確に「サーセイが鐘をならした」と考えるといろいろ解釈が変わってくる。

今回、「鐘」が何を象徴しているか。それは正義の象徴である、と私は思っている。ここで正義と言っているのは、だいたい「誰でもその恩恵に預かることができる一般的なルール」という意味合いだと考えていただきたい。このとき、問題は「サーセイに正義の恩恵にあずかる資格があるのか?」ということだと思う。お前散々ルールを破ってきたのに、いまさら「鐘」使うのかよ、お前にその資格あんのかよという違和感だ。こういった、「お前鐘使っちゃだめだろ」という感覚は、分断の時代において生じやすいと思う。

例えば、最近性犯罪の裁判が無罪判決になってそれに反対運動をしていた人々が一定数いた。彼ら彼女らのメンタリティはおそらく「あいつは性犯罪を犯したのに鐘を鳴らしやがった!」というものなのだと思う。無罪判決が出たのに、運動者たちの怒りはおさまらず、むしろ闘争が展開された。ちょうどデナーリスが、鐘がなったあとキングスランディングを焼いたのと同じである。つまり、正義というのは一般的言えば万人におよぶはずなのに、その適用外に置かれるべきだ!!!と判断されるような人間、例えば性犯罪の容疑者などが、事実として存在しているのである。彼には、正義の恩恵に預かる資格がなかった。

あるいは、リベラル派を揶揄することしかできない人々も同じだ。あの手の人々は「じゃあこれはどうなんだよ?(例:じゃあ共産中国のチベット政策は~)」と言って話題をずらすのが得意と分析されているが、それは彼らの論点がまさに、「正義はなぜ一般的に適用されないのか?」というものだからだ。彼らは、正義が何かは分かっているが、それが適用されるorされないが極めて政治的に決定されているという現実を前にして一種のいじけモードに入っている、ある意味でナイーブに正義を信じている人々だ。彼らの言っていることは、じつは「無罪になった性犯罪者に制裁を加えろ」と質的に同じ主張なのである。つまり、「LGBTやらクジラに対しては鐘をならすあいつらも、弱者である俺に対しては鐘をならしてくれない」ということが彼らの不満げな態度の根源的な原因なのである。

デナーリスがキングズランディングを焼いた、ということは、それ自体としては脈絡のない狂王化としてしか理解のしようがない。しかし、鐘を鳴らしたのがサーセイ、という点と組み合わせれば、極めて今日的な問題設定の上に築かれた演出、ということになるだろう。つまり、「お前は鐘使っちゃだめだろ」という感覚に対して、我々がどう向き合っていくべきなのかという、今日的な問題設定だ。

こういった感情に人々が振り回されるのは、結局正義のバックボーンである権威がめちゃくちゃに傷つけられ、市民の持っている政治的意識と懐疑心が大きくなりすぎているからである。よって、玉座に強力な王が座り、秩序を回復することが求められる。……のであるが、それが方向性としてかなり間違っていることも、我々は歴史から学んでいる。ゲーム・オブ・スローンズ最終話に求められるのは、まさに、傷つけられた正義の上に、いかにして和解を打ち立てるのか?という問題に対する回答だ。きっと誰もがこの問題への回答を探している。だからこそ最終話、楽しみにしたい。