シン・エヴァンゲリオン劇場版感想 ネタバレ有り 個人的アスカ総括
シン・エヴァを見てきたので感想。ネタバレ有り。といってもアスカのことだけを書きます。
○アスカは寝取られたのか?
このことについてはびっくりしました。相手が誰か、ということよりもむしろ、ミサトさんやリツコさん、つまり「大人の女性」が象徴担当だった肉体的な描写・ドロドロ人間関係的な描写がさっぱり消えたのに対して、今回はそういうのがアスカで来たか~という感じがまず先にありました。裸にノーリアクションだったときはまあ衝撃でしたね…… そういう意味ではまず、アスカが「大人になった」、遠いところに行ってしまったんだなあという寂しさが何よりも先にきましたね。
とはいえ、私は別にLAS派*1というほどの強度は持っていないにしろ、「レイ派かアスカ派か?」と問われれ何の躊躇もなくアスカと答えるアスカ派なので、アスカとシンジの絡みは結構好きでしたので、どうしてこうなった感はなくはない。が、新劇場版のアスカは独立した人間としてかなりキャラが立っていたので、まあ個人的にはアスカを好きで居続けるのは全然難しくないと思いましたね。
○アスカのどういうところが好きだったのか
シン・エヴァのアスカはやはり、ミサトからも信頼される「仕事人」としての側面がすごく強調されており、ようは普通に独立したキャラとしてかっこよかったのですよ。そのあたり、旧劇以降「負け癖」がついてるなあという印象はどうしてもあるわけですが、まあ勝ち負けよりもアスカの覚悟にしびれましたね。私は自己犠牲とかが好きなので、アスカの捨身の頑張りを見れただけで良かったですよ。
元々アスカのどのあたりが好きだったか整理してみると、下のような感じでしょう。
・テンション高い(躁っぽい感じ)
・前線で戦う存在である(働くひと。少佐)
・家庭的じゃないところ(開明的な感じ?)
というところでしょうか。まあなんか私の母っぽいんですよね(なんやねん突然)。私はマザコンですがレイには全く惹かれなかったわけですが、やはりマザコンの対象となる母親が働くひとだったという影響が大きいんだと思うんですよね。まあ冷静に整理すると、私はアスカに母性を見出していたわけですよ(!!!)。
なのでまあ、アスカがなんか異常に古臭くダサく描かれている家産的生産活動に一切参画せず「守る存在」とか言ってたり、サクラさんに仕事引き継ぐときの急に軍人に戻る瞬間だったり、第13号機相手になんの躊躇もなく相打ちを狙いに言ったりと……まあ、そういうところが私にとってアスカラブの基幹的な部分だったので、あんまダメージなかったな、というね。
○アスカの着地
アスカが幼年期に、家族に囲まれるシンジを見たことがあったというのも非常によかったというか、二人の断絶・違いを示すようで面白かったですね。アスカがなんだかんだ「一人でやっていく存在」というのは新劇場版では終始強調されており、例えば加持さんにも依存してないし、ミサトやマリとの距離感もまあある程度意識的に取っているわけですよね。まあ青春における唯一の例外がシンジだった(昔好きだった)というわけで、多分そういうものとして終わってくれればよりよかったのだろうと思います。一人でも生きていける強い存在としてのアスカが真に完成するというか。
なので、やはりぬいぐるみから例の彼が出てきたというのはかなり描写として大きいわけですね。あのぬいぐるみとの対話がアスカの孤独性の象徴だったわけなので。ケンスケの「家」に漂着したというオチがうーむ、という。まあただ結局、例の彼に依存していることを示すのか、長い人生の中でいい感じのやつが見つかったからとりま一緒にいるくらいの温度感なのかでいうと、基本的に後者なんじゃないかと思うわけですね。出撃の前に会いに行くのはシンジだし、捨身攻撃の前、例の彼を思い出すわけでもないし(ミサトさんのケースと比較せよ)。まあそういうわけで、最後の着地はアスカの依存を示すわけではないという判断を私はしています。そういう意味でアスカ性の毀損はあまりなかったと思っていますね。
○まとめ
全編通してアスカはカッコよかったのでアスカファンとしての僕は満足なのでした。
*1:Love Asuka Shinjiの略。つまりはシンアスカプ厨のこと