みた映画とか
2。1は文句なしの傑作だったけど、2はそうでもない……気がする。政治臭が半端ない。
やっぱりこの映画のすごかったところは、ドラゴンを「飼いならす」ってところであって、ドラゴンパワーと同一化することで僕も空をとべるんだ!!(という錯覚)感、あれがすべてだったんだと思う。だから1における初飛行シーンの感動が半端ないのであり、あそこで泣けるのである。ドラゴンが僕に力をくれた。もう僕は弱くない。1からはそういう勇気をもらえる。
そういう筋で2を評価すると、主人公が承認の問題で全く躓いておらず(父から後継者に指名され、彼女ともうまくいってる。1における問題が解決してるのがわかる)、しかも(協同飛行ではあるが)自分の力で空を飛ぼうとするので、ドラゴンパワーが体に流れ込んでくる幸福感をあんまり素直に味わえなくなってるんだよなあという感じはした。エンパワーメント力学第1法則として、エンパワーメント力を一定とした場合、弱い存在の方がより多くの力を受け取ることができるのであって、問題となるのはつねに変化量(どんくらい強くなれたか)であり、絶対的強さ(何を成し遂げたか)ではないのである。だから主人公が強者だと、どうしても作品全体のエンパワーメント力が下がる。
カーチャンは頭おかしい。正直、父子関係のアニメに母子関係を持ち込むのは悪手だと思う。いや、別にいいんだけど、ヒックパパが政治臭皆無のおっさん(息子ラブ、民を守る、の2原理しかないキャラ)だったからいいにしても、ヒックママが正直子供映画じゃありえないレベルの政治臭を発揮していて、この臭さが映画を破壊した側面はあったと思う。こういう映画におけるキャラ造形の鉄則として、母キャラを掘り下げたかったら、必ず子供との関係を通して掘り下げなくちゃ駄目で(例えば子供のために大学やめるとかね)、母キャラ独自の物語(冒険してドラゴンの主と仲良くなったんだとかね)をぶち込んで説明しようとしてはいけない。もちろん、リアル世界において母が独自の物語を持つのはいいのだが、創作でそれをやると作品の筋が荒れてしまう。ママキャラが立つには立つが、そこに拭いがたい(あくまで脚本上の)違和感が生じてしまう。この映画は完全にそれにハマってたよなあ。明らかにカーチャンの処理に苦しんでたもん。
全体的に政治臭がきつかった。まあ決して悪くはないけど、やっぱり1の完成度には全然及ばないよなあという感じ。
2。これも1の完成度を思い知る結果に終わった……
まずコメディ映画なので笑えたかどうかという点で評価しなくてはならない。以下笑えたシーン。順番は思い出した順。
・まずファック連発してるのがウケるやろ
・精子バンクのくだりはめっちゃ良かった(でもちょっと日和ってた)
・エリート女がタミリン言語をうまく理解できないシーン(お約束)も笑えた。エリートとボトム民の会話が咬み合わない感じほんと好き
・モーガン・フリーマン事務所の机を壊してしまうシーンがおもしろすぎた。あの唐突感よなあ
・裁判長に怒られたあとスマホゲー始めるシーンとかめっちゃ好き。音まで出すのがすげーよ
・各テレビ局、各番組の風刺面白すぎるだろ。特にパロディ大好きの某番組のところが最高だった。パロディをパロディするの俺ちょー大好き
・ハッパ畑に到達した瞬間、唐突に始まるジェラシックパークパロは反則。「群れで動いてるんだ」って! 面白すぎる
ただまあ問題山積である。一番まずいのは、「イジり」的なネタが多すぎたこと。TEDは絵的な完成度が高いのだから、つまり自給自足的に面白いのだから、わざわざイジり系のネタを入れなくてもいいのにねえ。
例えばコミコンにおけるナードいじめは全然いいんだけど(ホモセクシャルが迫害側にまわることもあるんだというやばいメッセージが込められてるからね)、例えばコメディアンいじるシーンとかはどちらかといえばお寒かったし(別に北米ネタに対する無知のせいではなく……)、盲目の人を茶化すのもやりすぎだろう。(創作においては)障害者も平等に茶化すべきだとは思うが、しかし、相手を同じ地平に立たせずに茶化してしまうのはただの差別であって、全然よくない。ああいうことするなら、最後に相手がいたずらに気がついてぶちキレるシーンが必要だった。
人権云々の筋は……うーん。まず第一に、「ホモセクシャルや黒人が平等を達成したんだから、同じくマイノリティである○○にも権利くれよ。人権って知ってるだろ?」というアーギュメントは、個人的にですが、完全なゴミだと思う。ホモや黒人が権利を獲得したのは、中流民が唐突に権利意識と同情心に目覚めてからでは全然ない。そうではなくて、ホモや黒人が「我らここにあり!」と宣言して闘いぬいたから、彼らの権利が認められたのである。政治的に無節操な多数派ども(奴らのルールはただ一つ、勝ち馬に乗れ、これだけである)に権利を認めさせるには、戦って「独自の」政治権力を手に入れなくちゃ駄目。だから「同じくマイノリティである○○」たちは、人権とかいう中立的な価値に訴えるんじゃなくて(それは運動の最終段階において必要であるにすぎない)、まずは「俺たちが〇〇だ!!」を全面に押し出さなくちゃいけないんだと思う。そういう意味でいうと、黒人やホモの権利を認めたようにテッドの権利も認めろやという筋の話をしてるのが最高に欺瞞的で、ねーよwwwって感じだった。それでも風刺映画かよ!
まあもちろんテッドは連帯するべき仲間が設定上存在しないので、しょうがないけど…… それに「国(ステート)相手に裁判してるし十分戦ってんじゃね?」という話もできそうだが、まああの国においてはいくらでもある事例であって、合衆国的文脈と、モーガン・フリーマンの演説とかも考慮に入れると、やっぱり話の一番大きな筋は「黒人やホモのように~」だとは思う。そして私はそのアーギュメントに乗れなかった、というだけの話である。
最後。ダニーくんが健在でよかった。あいつほんと好き。ああいう負荷のかけられ方するキャラが愛おしすぎるんだよなあ。ハゲがバレるシーンの哀愁満点の演技とかもうほんと最高だった。
みた映画とか
メキシコ人画家の映画
フリーダ・カーロという史実の画家。前情報がなかったので、最初はスペインあたりが舞台なんだろうと思っていた(顔とか音楽とか雰囲気的に)。なのでイケメンが「ヨーロッパ行くは」などと言い出したシーンで「ああ、スペインなどという糞田舎に住んでる人もヨーロッパコンプレックスあるんだ~~親近感~~」とか思ってしまった(アホ)。
メキシコ人=国境線を越える人々。移民労働者。掃除夫。という印象しかないので、画家などというカルチュラルな人種がいたことに驚いた。1935年だから第二次大戦前夜だし、その頃はアメリカ人以外はひでー暮らしをしてた印象なのだが、必ずしもそうでもないかったらしいね。
正妻バトルが面白かった。結婚式でぶちきれる前妻ホントかわいい。結婚したい。あの疲れきったおばさんキャラの魅力にとりつかれまくってる。どうでもいいが最近大学の演劇を見た時にも、ああいう感じの疲れきったおばさんが出てきたのだが、あれはすごくよかった。
一番おもしろかったシーンは、娼婦フリーダがトロツキーとセックスするシーンですよね。トロツキーとかモテそうだな~~ってのをめちゃ感じた。まず革命家ってのはリア充だからな。トロツキーは獄中結婚してる時点でギルティだが、亡命先で画家の女とセックスしたらもう極刑確定やろ。それに比べてスターリンは家族問題について完全に失敗してるからほんと好きだ。
最後(と最初)、ベッドごと自分の個展に突撃するシーンはすごくよかった。
みた映画とか
フェミニスト映画シリーズ
二人の暴走中年がかっ飛ばす話。多分中年であることが重要な要素だったんだろうなーとは思う。「少女」がこれをやると、おそらく不良性とか青春物語に回収されてしまって、フェミニスト映画にはなってなかったんだろうなあという。
この映画は面白かったけど、自分の中にある性差別主義と向き合わなくてはならず、やっぱり辛かったよね。以下「コンサバ差別主義者男子」がイラッときたポイント。
・不貞(既婚者なのに配偶者以外と寝ている)
・警官に暴行する & 警官の装備を破壊、略奪する
・テキサス州を嫌っている(典型的テキサスフィビア)
・銃を発砲してタンクローリーを爆発させる
・自ら犯した罪に関して、法の裁きを受けずに自殺したこと
という感じ。
しかし、もし主人公が男性かあるいは子供なら、多分私は全然違和感なくこの映画を受け取っていたはずで(同じくタンクローリーがぶっ壊れるマッド・マックスはスゲー面白かった)、そういう意味で「中年のおばさんが社会に挑戦してんじゃねーよ! 調子のんなババア!!」的な差別意識が私の中にあるんだろうなあという。そんな怪物になってしまったのが辛すぎて辛い。死のう。
それに「襲われた」女性というのにもあんまり、というか全く共感できずダメだった。脈絡なくレイプされたならあれだけど、飲み屋で一緒に踊って酒飲んでわざわざ人のいない場所についていくという意思決定をしているのはやっぱり女性自身なわけで、その決定に対する責任があまりに言及されなさすぎ。「そもそもホイホイついていくのがダメだろビッチが!!」みたいなことを平気で言っちゃいそうな自分が最高に嫌い。
でもこの映画、女性の行為が過激すぎてあれだったけど、序盤の「これから旅行だ~~」という開放感であるとか、お互いに支え合うバディ的要素はしっかり描かれていて、それらは普通に楽しめたなあ。序盤はポンコツかと思われたビッチさんが、金を奪われてからは逆に相棒を引っ張る展開とか良かった。バディモノって、片方が弱っちゃった直後にもう片方が強くなる展開(一転攻勢的な)が必要なんだけど、それが上手く決まってたんだよねえ。これまで強気だったキャラが金無くなった瞬間泣き崩れ、一方ほわほわビッチは突破力を発揮するという対比がよかった。
その2。結論から言って面白かった。ギャグテイストだったし、フランス映画らしく「イスラムの女性差別批判」という筋があったので安心して見れた。(逆にテルマアンドルイーズのように白人女VS民主的政府という対立はちょい厳しいよね。)もちろん白人男子も報いを受けるんだけど、パパとドラ息子は両方決定的に批判されたりはせず、ちょっと恥ずかしい思いをするだけで済んでいて、あくまで「ママのプチ反乱」くらいにまとまっているのが良い。批判の対象はあくまでイスラム教と売春産業。ブルジョワ(プチも含む)家庭における問題は、まあおまけだよね。だから批判はぬるくて俺でも楽しめるという。
キャラでいうと、お母さんのキャラがすごく良かった。このお母さんと黒人娼婦が一緒に訓練をするシーンが感動的だった。これが優しさ。これが母性なんだよなあ()。
ドラ息子の甘やかされた糞ガキ感もいい感じだった。あとはドラ息子の正妻が癇癪起こすシーン。ナイフでソファを切り裂いて、そこにケッチャップをぶちまけるところが面白かった。 男に嫉妬してる癇癪女を眺めるのは最高の娯楽だし、あのシーンのせいでフェミニスト力が下がってると思う。
今回あげる三作の中でベスト。この映画では「イスラムにおける女性差別」が描かれているので(そして先進国における女性差別問題に対する言及が一切無いので)、気を楽にして、そして先進国の住人として、遅れた地域に住んでいる野蛮な差別主義者に対する憎悪を燃やすことができる。フェミニズムを経由してイスラム叩きするのってすっごく気持ちいいんだゾ(恍惚)。その意味では娯楽映画にカウントされるべき映画。
基本的にはバーネット的な雰囲気を感じた。少女が頑張っている姿って、それだけでエンターテイメントなんだよなあという。ヒロインはかわいい。
少年が補助輪をつけたことに対してぶちきれるシーンは泣けた。侮辱にもいろいろあるけど、相手からの父権的(おせっかい的な)優しさが最大級の侮辱になる場合もあるんだよなあ。少女はなんで自転車がほしいかというと、単にほしいというのももちろんあるのだが、物語的にいうと自転車は男の子と「競争する」ためのアイテム。そして競争というのは原理的にいって、対等な者同士において成立する営みだから、この文脈では自転車の獲得が女性に対するエンパワーメントの象徴なっている。自分に力を与えてくれるはずのアイテムって、人間にとってはすごく大事なんですよね。釣りが好きな人には釣り竿、PCが好きな人にはPC、みたいな感じ。そういうアイテムに関して、他人から細工を加えられたり、あるいは上手く扱えないだろうと思われたりするのってすっごく屈辱的なんだよな。だから補助輪のシーンは普遍的な屈辱描写になっていて、個人的にジンときた。泣けた。
あとはやっぱ、この映画のうまいところとしては、コーラン暗証コンクールを作品のメインエピソードにしているところだと思う。これは宗教原理主義に対する極めて陰湿な攻撃方法。あいつらはコーランを経由しないと女を叩けないから、主人公をコーラン暗記できる「模範的ムスリム才女」にしておけば、コーランが少女を守る最強の盾として機能してしまうという。もちろんこれは究極的な解放とはなんの関係も無い戦略ではあるが、まあ、過渡期においては有効な手だよね。
美少女がコーラン暗証コンクールに出ようとするときに、一瞬迷ってから参加の署名をするシーンなのだが、あれもすごくよかった。あれも泣けた。実際女の子って、男のプレイするゲームを上手くやる場合が多いんだよね。目標を達成するため(自転車を買うため)だったら、コーラン暗証という、なんの興味も無い、イデオロギー的にも賛同できないゲームも立派にプレイしたるわ! という態度が非常に「少女的」であって、とてもエネルギッシュ。その態度が最終的にどういう結果を生むかというところまで含めて、オーソドックスな少女モノに仕上がってる気はする。その意味でフェミ要素はこの映画のフレーバーではあるけど、本質ではないと思う。(例えば『家なき子』をフェミニスト文学と呼ぶか? みたいな問題。個人的には母子関係の危機と和解を扱っているという点で『AIR』に近いアトモスフィアを感じた)
男子が唐突に「結婚しよう」とか言い出してワロタwwwそしてそれを鼻で笑う美少女が可愛かった。ところで、この結婚しようは保守派的結婚しようであり、私の結婚しようは反動的結婚しようなので、その辺を同じにされては困る。私は自由恋愛とフェミニズムを織り込んだ上で結婚しよう学派にとどまっているのである。サウジアラビアとかいう差別主義的国家における実践と、リベラル社会によって破壊された男たちの実践は質的に全然違う。先進国日本の童貞に「お前イスラム社会の父権男子みたいだなww」などと言ったらマジギレされるので注意が必要。
最後の競争シーンは感動的。元気に自転車を漕ぐ少女は絵的な完成度が高い。追いかけてこいとか言いつつ、ちゃっかり男子を振り切ってしまうのも本当によかった。映画としてのメッセージがあのシーンに凝縮されていて、普通に泣けた。いろんなものを振り切ってしまう少女は本当にすごい存在で大好きだ。でもそれをおばさんがやると怒ってしまう自分の中の差別主義が大嫌いだ(テルマ&ルイーズのオチに対しては「テロリストは法的な報いを受け、名誉を剥奪されるべきだ!!」とか言っちゃうからなあ。辛いなあ)。
みた映画とか
石井聰互作品
逆噴射家族
監督が石井聰互、脚本が小林よしのり、という謎コンビによる映画。石井聰互作品の中では一番公的に評価されてるらしいけど(賞的な意味で)、個人的にはあまり評価が高くない一本。最大の理由は、小林よしのり映画になっている点だろう。キャラクターがあまりに強すぎる。祖父、父、母、息子、娘、すべてが小林よしのりキャラであって、話もまた小林よしのり的で、つまりは小林よしのり映画でしかない。狂い咲きサンダーロード的な話を期待していたので肩透かしを食らった気分で見てた(まあ「逆噴射」なのである程度近くもあるのだが)。
小林よしのりは現象的なアホさにとどまっている限り面白いのだが、理論的アホさに進出すると救い難くなるタイプの作家であり、そういう意味では案外映画と相性いいなとは思った。あと行き場の無いおじいさんかわいそす。
水の中の8月
オカルト・SF青春映画かな? かなり良かった一本。博多の町並み・文化のディテールがちゃんとしていたので(市が全面協力らしい)、その中で生きる少年たちの姿が極めて自然に描かれていてよかった。祭りのシーンとか、電車や上空から見る町並みの見せ方がすごくうまくて、夏という雰囲気、オカルトというドロドロ設定と合わさって幻想的な映像に仕上がっていた感。
サブキャラが優秀で、松尾れい子さん演じる美樹さんがめっちゃかわいい。年上で面倒見もいいしなあ。電気屋でアルバイトしてるオカルト少女とか神やろ(感覚としてシュタゲの鈴さんに近いキャラ。パパっ子要素は無いけど)。
なんかこの時期はこういうのはやってたよなー的なことを思い出しながら見た。95年の作品だしね。関西地域はこういうのをやっても許される感じがするんだよな。エンシャント日本やし。
あと、主人公の部屋がよかった。通路に階段をいちいち設置しないと入れない部屋とか、秘密基地感マックスで大変よろしい。ああいうところに住みたい。
原点にして頂点。最高の映画。
こっからはなんとなく手にとった作品
ハンガリー映画。煽り文に「眠くなる」とか書いてあったが、とんでもない。これはこれで傑作。
6日間に渡る親子の暮らしを描いた作品で、世界が終わるまであくまで「日常」を続けようとする人間が描かれていて、その点において正当な日常モノと呼んで全く問題のない作品である。最初の3日間は事もなしに過ぎていくのだが、その後だんだん世界が狂っていくのがわかる。最後はコズミックホラー。
まず冒頭シーンに登場する、疲れきった馬がいい。最初にこの馬が映った瞬間、俺だこれ……となる。この馬はもう疲れきって、壊れてしまっていて、ある日お父さんが馬車に乗って外出しようとするのだが、馬がいうことを聞かない。お父さんはムチで打つ。しかしそれでも馬は動かない。結果的にお父さんは外出を諦める。娘は馬を厩舎に戻す。という一連のシーンがあるのだが、ここが圧巻。
「馬が動かないんで休みます」的な展開からも明らかなように、この映画はシュール的な面白さがあったりする。真面目なテーマ音楽にそって、なんでもない日常の生活をしつこくカメラに収めていくスタイルはシュールギャグ的なところがあり、ついついくすりと来てしまうことも。じゃがいもをもつらもつらと食べるシーンとか。
井戸が枯れたあとこいつらなんですぐ帰ってきたんだ? というのがこの映画の謎だと思う。SF学派によれば、彼らは別の世界に行った論、丘の向こうには別の惑星が広がっていた論などが提出されており(「永劫回帰」を持ち出す輩までいる)、それも解釈としては悪くないのだが、そこまでラディカルに読み込まなくてもいいんじゃないかという気はする。キリスト教的モチーフにあふれている映画だし、途中で「街の連中は堕落した」とか言い出すおっさんが登場したりすることからみて、あの丘から見えたのは多分壊滅した街だったのだと思う。井戸が枯れて街に行こうとしたが、街が壊滅していたので戻ってきた、みたいな。街の方が先に終わってしまったのだ。世界の終わりはすべての人に対して平等に訪れるのだろうが、多分あの二人が暮らしていた世界の崩壊が一番遅かったんだろうなみたいなことを思ったり。
最後のシーンが圧巻。世界から光が失われたあと、親子は最後の食事をする。もう火が無いので、テーブルの上には生のじゃがいもだけがゴロリと転がる。親父さんが生のじゃがいもを食べようとして諦めるシーンとかすごかった。だんだんフェード・アウトで画面が真っ暗になっていくのだが、最後の最後まで親子の顔肌の白色だけが残る。これがすごく不気味。最後は皆闇に包まれてしまう。これが虚無だ。これが絶望だ。すごくよかった。
みた映画とか
『レスラー』のミッキー・ロークを破ってショー・ペンがアカデミー主演男優賞を取った映画、それが『ミルク』。史実の政治家であるミルクさんがゲイライツムーブメントを盛り上げる映画。まあ私は『レスラー』の方が好きかなあ。これもいい映画だとは思うけど。
人々の希望となったミルクさんは普通にカッコいい。でも、ミルクもいいんだけど、ダン・ホワイトもすごく良いキャラなんだよねえ。ミルクの私生活をもうちょっと削って、ダン・ホワイトの葛藤を入れれば完璧な映画になったと思う。
あとスコットの俳優さんセクシーだよね。絵に描いたようなセクシー男って感じだ。ジェームズ・フランコさん。
これは傑作ですわ。完全にノーマークだった。多分マーケティングの問題なのだと思うのだが、この映画はバイキング×ドラゴンという二大要素からなる映画なのに、ドラゴン要素しか売り出してなくて、そのせいで客を逃してると思う。完全なファンタジーじゃなくてバイキングに寄せてる映画なのねということを知ってれば手に取りやすかったと思われる。ドラゴン単独ってちょっとジャリすぎるんすよね。
正ヒロインがくっそかわいい。いやマジでちょっとエモ入ってるバイキングガールとか最強やろ。アニメ映画では『リトルウィッチアカデミア』に出てくるスーシーちゃん以来の名ヒロインですわ。最初の登場シーンもいいのですが、モンタージュシーンでふてくされてるシーンで可愛さ爆発。何がいいってこの子はバイキングの伝統としてのドラゴン殺しに使命感燃やしちゃってますからね。伝統大好きエモガールとか神。
あと、物語のテーマの一つに身体障害ってのがあるわけだが、それの使い方も良かったよね。身障者同士の協力っていうありきたりなモチーフをあえて我慢したおかげで、物語中盤をドラゴンを飼いならす楽しさを描くのに使うことができていて、ここが大成功(つーか題名も、「ドラゴンの飼いならし方」だし)。中盤で無理やり「俺もお前もカタワなんだよな。お互いを補おうぜ」にしちゃうと、多分暗すぎてつまんなくなってた。
それで最後に主人公も身体障害者になってしまうのだが、その扱いが馬鹿みたいにあっさりしてるのも良かった。身障者を受け入れるのはまあ当たり前であって、そういう説教を長々やらないのは本当に子供を尊重してるよなあという。あのあっさりさが逆に教訓なんだよなあ。受け入れるってことは大事だ。
みた映画とか
読書に関しては読書メーターがあるので最低限の積み重ねができるのですが、映画は見れば見っぱなしになってしまう問題があるため、ここに記録していくことにする。いや映画メーターというサービスもありますよという話なんだけど、あのサイトはあんまりいけてない。私は別に読書人アイデンティティーを持っていないため、周りの人間が本についていくら語ろうが気にもとめないけれど、一応映画好き(といってシネフィルってレベルじゃねーけどさ)ではあるため、映画について何かいう時には格好をつけて気取る必要があるわけです。シェアを目的としたサイトで気取るのは怖いので、こういうブログで気取るのです。
「百万回見れる」「傑作」との呼び声高い映画、スティング。ジョジョ第三部の賭けバトルエピソードの元ネタ(名前をわざと間違えて相手を怒らせるとかそういうアレ)。感想は「映画だなあ」という感じでしょうか。脚本は恐ろしく頑丈なんだけど。
詐欺師がチームを組んで悪党から大金を巻き上げるというお話で、自分を切れ者と思ってる奴を騙す愉しみと緊張感が伝わってくるし、脚本上のどんでん返しもあって面白い。ただまあ私は一回みれば十分かなあという感じのお話ではあった。時代が1930年代なので、使用されるトリックの技術的水準が高くはなく、むしろ主人公たちはオーソドックスかつ渋い手で悪党を陥れようと頑張るので、その点で好感を持てた(ちなみに、昨今の映画は最新技術で問題解決するからけしからん。スマホとかドローンなどで何の工夫もなくオチをつけようとする映画はほんとなんなんでしょう。新しい方の『アニー』とかさ)。ただやはり全体的にキャラが多すぎる問題があったとは思う。『オーシャンズ・イレブン』みたいに、有名俳優+人種的多様性みたいなラインでキャラを立ててくれた方がわかりやすい。絵的なわかりやすさに加えて、感情移入の問題も結構ある。主人公陣営が団結する理由が「友人が殺されたから」なのだが、その友人がどんだけいいやつだったのかに関するエピソードが皆無なのでいまいちノレない。もちろん彼らが戦う理由はそれだけではなくて、詐欺師としての存在証明という筋もあって、個人的にはこっちの方が好きかなという感じ。「俺たちは詐欺師だから、殺人には詐欺でお返ししてやる」っていうセリフは好き。
有名なやつ。実話らしい。かなり小さいころに見たので見なおした。同じ詐欺モノにしても、上であげたスティングが脚本で魅せるタイプの映画だとすれば、こちらは完全にキャラで魅せる映画だと思う。主人公もさることながら、FBIの刑事さん(トム・ハンクス)も共感を誘う。こういうクソ真面目役人系キャラが頑張ってる姿を見るのがすごく好き。追う追われるの関係が、ちょっとずつ謎の絆に変化していくのはこういうシナリオのいいところ。クリスマスの度に、詐欺師が刑事に対して「お互いぼっちだねー」みたいな電話をかけるのとかもいい。友情物語として仕上がっているので、どうしても評価があがってしまう。
ノレなかったですね。しかしなぜノレなかったのかと問わなくてはならない。
この映画、ダブル主人公による陸上競技映画で、正直設定からしてあまりノレない。競技がマイナーなだけならいいのですが、この映画は主人公の葛藤構造も独特で、それもなんと宗教! 主人公その1、ユダヤ系の主人公は「水辺には行けても、水を飲ませてはもらえない」と潜在的差別を感じる大学生、それを跳ね返すために頑張る人。一方キリスト教ガチ勢のもう一人の主人公(その2)は、「日曜日は安息日なのでオリンピックだろうがなんだろうが走れない」みたいなことを言う人。二人が頑張ってどうにかオリンピックに出るお話。
ノレなかった最大の理由は、主人公二人の葛藤にイマイチ共感できなかったからですかねえ。特に敬虔なキリスト教徒主人公が個人的にうけつけなかった。主人公たちの直面する障害が、レースに負けた、家族からチクチク圧力を受ける、大学からの横槍。イマイチ堕ちてない。ヒューマンドラマやりたいなら最低限心臓病だろう。あるいは足の骨折れるとかさ。そういうのを乗り越えながら頑張る姿を私は見たいのです。もっと悲惨になってくれないと。
あとやはり宗教的敬虔さを押し出すなら、聖人描いてもしゃーないでしょという感じはある。主人公が綺麗すぎる。もっと汚せ。例えば安息日をテーマにするなら、「安息日なのにオリンピックだという理由で走ってしまった。俺はクズだ。なんたるクズだ」という葛藤を扱うべきであって、「日曜日に走れないから、委員会に頼んでオリンピックの参加種目を変更(100メートルから400メートルへ)してもらった。おかげでオリンピック出れたよ」というのは葛藤とその解決があまりに世俗的すぎるだろというか。
あと、陸上競技者って、自分の参加する競技(100メートル)に対する強い思い入れがあるはずで、それって宗教的情熱より弱いのかよ!? みたいな話も出てきてしまう。えお前400でいいのかよ、みたいな。種目変更してでもオリンピックでたいというのはちょっと謎。つまり、安息日の原則を守るためには、主人公は自分の愛した競技を捨て、ライバルとの戦いも諦めなくてはならないのにも関わらず(100メートルから400メートルに変更した)、その点に関する葛藤が一切無い。マジすかオリンピックでますわという態度。お前ランナーとしてのアイデンティティーどこに行ったんだよという話になる。キャラクターを立てるなら、神と競技に対する愛を守るためにオリンピックそのものを辞退するしかなかったのに、そうしなかった。その辺りで一貫性が崩壊しているのが大変まずい。
まあ実話に基いているので色々大変なのだろうが……そもそもこれ、主人公二人にする意味あったんだろうかという話もあり、消化不良。でも多分「炎の童貞」をやったら、たくさんの人からこんな感じで叩かれるんだろうなとも思うので、色々複雑。
某ブログでこの映画が「リア充映画」として上げられていたので、マジかじゃあ見なきゃということで見たが、本当にリア充映画で笑った。
アーレントが『イエルサレムのアイヒマン』を書き上げて、その後色々言われるという映画。話の筋としては二つあって、一つはアイヒマン問題をどう解釈するかという筋で、こちらは歴史哲学の話。もう一つの筋は恋愛。「アメリカ在住の知的ユダヤ人サークルの姫」(この表現は反ユダヤ的か?)アーレントがめっちゃモテるんだけど、アーレントの心はハイデガー先生のものなのです、みたいな。
個人的には『イエルサレムのアイヒマン』の後書きで、そういやアーレントキレてたな―ということを思ったくらいですかね。正直、アイヒマン裁判(間接的にはホロコースト)という、論争と緊張の塊みたいな話題と、アーレントの恋を、映画内に同居させたのが失敗だったんじゃないかなあとは。どっちかに寄せるべきだったと思う。
まあ一番よかったシーンは、締め切りの催促電話を受けた後、アーレントがおもむろにベッドに寝転がるシーンですかね。
こういう映画好き。随所にサウスパークネタがあるので評価が高いです(当社比+400%。『チャッピー』もサウスネタがあったので好評価)。最後の決戦がお寒かったことを除けばスカッと見れる良質なコメディ。不思議ちゃんキャラが革命的に面白かった。
最高の映画。ずっと見てる。『狂い咲きサンダーロード』のレスラー版。男同士の優しい関係性が描かれているという点では、狂い咲きサンダーロードをも上回るでしょう。主演も本当に良かったけど、周りのレスラーたちの優しすぎる態度、しぐさ、まなざしも完璧だった。
こっから↓は劇場で見た映画
「ダサいがカッコいいに変わる瞬間」を用意することが、こうした映画では不可欠なのですが、それに関していうと、キングスマンは完全に成功している。日和ったところの無い、大変素晴らしい映画。
以下個人的に思ったこと。
おっさん主人公は途中で死ぬのですが、その退場の仕方が最高にかっこ良かった。ところで、なぜ彼は死ななくてはならなかった理由を考えると、やっぱり、正義の味方のスーパーパワーを(どんな理由があるにしろ)一般市民に行使したから、なのだと思う。つまりキングスマンは、スパイモノのお約束を破る映画ではあっただけではく、ヒーローモノの大原則を守る映画。でもこれ、結構「悪用」だと思う。
普通の人間は悪いことしたいという欲求を持っている。スクリーンの中でそういう欲求を叶えてくれるのが悪役の存在である。よって魅力的な悪役を描くことがきわめて重要である。とよく言われます。ただ実際、視聴者は一方で悪役に感情移入しつつも、やっぱり正義が勝つことを期待してしまうんですよね。だから実は感情移入の軸がぶれてしまう。例えば『ダークナイト』のジョーカーはくっそカッコいい。もう濡れるほどに。ジョーカーに勝ってほしいと思う。でもこいつが勝ったらどうなっちまうんだ……みたいなそういう思いも当然ある。まあ何がいいたいかというと、視聴者の方はこういう複雑な感情(悪のことが嫌いだけど大好き)を持った存在ですよねということです。
だから本音をいうと、視聴者はヒーローにも悪いことしてもらいたいんだと思う。ヒーローにも汚れて欲しいんです。そうすれば問題は解決する。自分の中にある悪いことをしたいという欲求を、正義のヒーローを通して発散できれば、それはもう最高なんです。でもハードなヒーローモノではそれは許されない。正義は正義、悪は悪の完全な分業体制が確立しているからです。そういう分業体制と、悪いことするヒーローを両立させる方法は何か? というと、そこで効いてくるのが制裁というルールの採用なんですよね。つまり悪いことしたヒーローは絶対に制裁を受けるという大原則があって初めて、分業体制を破壊することが許されるわけです。制裁ルールのある世界では、ヒーローは無謬でもなければ無敵でもないのですが、しかしおかげで、悪いことしてもオッケーになります(ちゃんと制裁を受けるのが条件だけど)。
悪いことしちゃったヒーロー。これもう最高ですよね。キャラクターの深みはバカみたいに増しますよね。感情移入めっちゃやりやすくなりますよね。でもこういう展開になると、ヒーローが「僕は正義の味方なのに悪いことしちゃった」とか言い始めるんですよね。でもこれ、葛藤というか事実上の言い訳でしかない。これがマジでうざい。言い訳なぞいらない。臭いったらありゃしない。無論、葛藤は必要だが、自分のなした悪事について長々と釈明する必要は実は一切ない。悪いことするヒーローがウケるのは、視聴者が悪いこと大好きだからであって、それはもう前提というか、深掘りしちゃいけないところです。なんで悪いことしちゃったんだろう。それは面白いからです。以上。そして主人公が汚れた今、視聴者である私も、正義のヒーローも、綺麗で汚い。この状況が最高にハッピーというだけの話なのですから。
キングスマンはこの問題に対してきわめてシンプルな解決を与えていて、そこも非常にポイントが高かった。ヒーローがトランプ信者を殺しまくり(このシーンは最高に楽しい虐殺シーンです。爽快感とはまさにあれのこと)、その直後に多少の問答を経てすぐ殺害される(制裁を受ける)。このテンポが神でしたね。この二つのイベントの間に少しでも言い訳タイムを入れていたら、映画の質は数ランク落ちていたに違いありません。
コードネームU.N.C.L.E. ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
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超スーパーオーソドックススパイ映画。オールドファッションという単語の頭にはつねに「good」がつくものですが、この映画はそのいい例。あえて分類すればコミカルなテイストの映画なので、大げさな演出がかろうじてお寒くなっていないのがすごいなあという。
ガールズ&パンツァー 劇場版 (特装限定版) [Blu-ray]
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ガルパンはいいぞ! っていいたかった。だから見に行ったんです。
やっぱり映画館だと戦場の音が大きすぎて怖い。音響がいいんだよねえという声はあるんだろうけど、逆に私はそれがダメだった。
個人的にガルパン最良のシーンは、TV版最終話で、主人公の女の子が戦車の間をジャンプして仲間たちを助けるべく頑張るところです。あそこはすごく感動的だった。なので戦闘シーン多めの劇場版はうーんという感じですかね―。メガネの副会長が学校のために頑張るシーンはよかったかな。
ガルパンの何がアレかというと、やはり安全性に関する説明があまりにも無い点。いや、そこツッコム所じゃないからと言われそうですが、この作品に関してはツッコムべき。なぜなら競技の安全性の問題が、主人公のアイデンティティー形成ときわめて密接に結びついているからです。安全性に関する説明が曖昧なため(車内は安全。しかし下じきにされたら? 車両から顔を出している時は? それこそ車両が水に沈んだらどうなる?)、競技で人が死ぬ危険性・リスクが謎。主人公のアイデンティティーは、この危険性・リスクに対しては真剣な態度を取るべきだ! というものなのだから、当然もっと説明があるべきだったと思う。だって、もし本当に人が死ぬ競技なら、他のやつら頭おかしいでしょという話になる。西住流の人々は死人が出ても勝利するべきという立場なのだとすれば、それはもう戦争だし。「お前が人命救助したおかげで勝てたはwww」とか言ってるカチューシャさんも変な人になってしまう。逆に、本当に死ぬリスクが無いなら、そこでムキになっちゃう主人公バカでしょ? って話で、「野球の犠牲フライは犠牲になる人がかわいそう!!」みたいなのに近くなりますよね。でも主人公のキャラは、戦術上、必要なら仲間は余裕で切り捨てる、なわけですから整合性の問題が出てきます。
無論、ガルパンの見どころはそこじゃねー。戦車戦だ! というご意見もあると思いますし、まあそうなのでしょう。ただ私は戦車が動いてるところより、戦車が並んでるところが好きなのです。音がほんとダメなんです。個人的には、劇場版で一番よかったシーンは、アメリカ高校の輸送機の中で、窮屈そうにならんでる主人公陣営戦車の姿が映ってたカットかな。輸送機の中に兵器類が詰まってるのを見るのは好きです。
EU4オーストリアAAR_帝国改革への道_後編
ライナー一世の続き
というわけでオスマン戦です
こんな大きな国に勝てるのか……
オスマンは軍事力ナンバー1国家ですし
軍事技術もオーストリアの23に対して22。決して遅れきってるわけではない
さてどうなることやら
・第一次大オスマン戦争
これまでビビって一度も刃を合わせてこなかったので、正直緊張気味ですが
ライナーさんは戦端が開かれてすぐ
甥のルドルフ大公率いる総勢9万の遠征軍を進発させます
ほほう
(進発って言葉かっこいいな)
ルドルフ大公軍は国境線沿いに待機していたオスマン軍を発見
即時強襲しました
お、おお……?
敵を殲滅した……だと?
オーストリア陸軍は最弱だったんじゃないんですか!
それな
ぶっちゃけこういう結果は期待していなかったですわ
史実におけるゼンタの戦いレベルの圧倒的大勝利でした……
この後はコモンウェルス軍の到着もあって、オスマン軍を押して行きました
第二次Hunyad会戦
また敵軍を殲滅……
これでオスマンのバルカン方面軍を完全に撃滅した感
両軍合わせて約25万の軍勢が衝突したTrigoviste会戦
相手の大将はオスマンの跡継ぎさんだね
一族同士のバトルだね
Tarnovo会戦。この戦いで決定的な勝利を収め
これ以後敵は大規模な野戦軍を用意できなくなり
籠城・ゲリラ戦略にきりかえていきました
しかし数の優位があるので、こちらは占領地を拡大し……
おお
(でも占領したのは同盟国なのかw)
コンスタンティノープルの陥落
実際あっという間に陥落した
最終的にはボスフォラス海峡よりこちら側の領土を全面的に占領
おお
なんで小アジアに攻め入らないの?
え
なんで?
……海軍がゼロだから
海をわたることはできませんでした
あっ……
(まだ海軍整備してなかったのか……)
とはいえ、これだけでも戦勝点が十分に溜まったので
1700年、ベオグラード条約が調印されました
結果領土は戦前のこれから
こうなった
というのが第一次大オスマン戦争の成果です
どっかり大きくなったなあ
そして大量の領土を神聖ローマ帝国領に加えた結果
ついに五つ目の改革を実行
おお
ペースあがってんねー
えうぃがーらんどふりえどって何
永遠の平和、という意味らしいわね
効果は、神聖ローマ帝国領内における内戦禁止!
これで内戦によるIAにペナルティが完全に無くなったわけか
でもこの改革を実行すると、皇帝も家臣に対する戦争できなくなっちゃうのよね
(残念そうな顔してる)
実際、ハンザ同盟はちょっと大きいのでもう一回殴っておきたかったけど
多分大丈夫だろうということで断行しました
改革、残り三つです!
カール二世の治世 1711~1725
ポストレイナー政権を担ったのはカール二世
その治世は短く、わずか14年でした
能力はどんな感じ?
……3/4/1
うわ~~~
名君じゃん!
名君に限ってという法則は実際ある
カールさんのあだ名は?
彼は……
「徒歩帝」と呼ばれているわ
なんじゃそりゃ
まあ理由は後で分かるでしょう
・世襲制の確定
そのカールさん
まずは先帝の遺言から、帝国改革を実施します
Proclaim Erbkaisertumを実行しました
えるばかいざーつむって何さ
世襲制のことらしい
こんな感じで、選帝侯の投票先ポイントの計算が無くなりました
すごいけど……
なあに
テンポはやくない?
一度の改革に160年かけたと思ったら
今度は10年くらい?
それね。加速度的にテンポは早まるっぽい
今回でいうと
・皇帝選挙における勝利で、10
・月あたり0.15×12×10で、18
・取っておいた領土+外交併合したセルビア領(15くらい?)を加えることで22
という計算かな
こうしてみると、内戦禁止で月ごとの上昇が確定してるのが美味しいのかな?
あとはやっぱり外征でがっつりIA貯められれば、改革は楽っぽい
なるほそな
とりあえず、これで改革は残り二つだね!
・第二次大オスマン戦争
カール二世の短い治世において行われたふたつ目の事業は
第二次大オスマン戦争ね
今までビビって全く手出しできなかったくせに
相手が弱ったと見ればすかさず殴っていくスタイル好き
(しまったこれは心の声にしとくべきだった)
カール二世は総勢20万の遠征軍を組織
伝統的な同盟国、コモンウェルスと歩調を合わせつつ、オスマンに宣戦を布告しました
同盟軍は上の二大会戦で勝利
戦争の主導権を握ります
そして……順調に占領を続けていくのですが……
イケナイヨー
ボスフォラス海峡を渡れない問題が発生します……
……ちょっといいでしょうか
はい瑞鶴さん
前回の第一次大オスマン戦争においても
同様の問題に直面してましたよね……
はい……
どうして海軍を作っておかなかったんですか……?
うぅ……(ぐす)
ねえ、なんでなのさ!
ええい、お黙りなさい!
(びっくり)
いいですか……
かつてスカンディナヴィア半島はノルウェイの森に住んでいたバイキングたちは
北海やバルト海から出発して
遠くシチリアやギリシアまでやって来ました
(いきなり何の話だ……)
では瑞鶴さん、聞きますが
なぜあの者たち、バイキングたちは、こんなにも遠く、地中海世界に来れたのだと思います……?
うーん
高度な航海術を持っていたから……?
いいえ。もっとファンダメンタルに考えて
立派な船を持っていたから……?
違う違う!
……
スカンディナヴィア半島と地中海世界が
海、もしくは川でつながっていたから……
だからあの者達はやってきたのです!!!
はあ……
「つながっている場所には行くことができる」
「新大陸」と欧州が大西洋でつながっていたからこそ
ヨーロッパユニバーサリスることができる
(動詞用方)
そしてこの理論は当然、陸上においても適用できます……
つまり……
ボスフォラス海峡を渡る必要なんて……無いのです!
!?
バルカン半島と小アジアは陸でつながっているのだから
彼の地まで、歩いていけばよろしい!
!
……と
カールさんは考えていたので、海軍を整備していなかったらしい
……ふーん。だから「徒歩帝」なのか
というわけで遠征軍は黒海をぐるりと一回りし、
コーカサス山脈を越え
小アジアに侵入しました
ゾーンオブコントロールとは何だったのか……
そしてオスマンの小アジア方面軍を補足、撃破しました
その後遠征軍は分割され、小アジアの各城塞を包囲攻撃しました
さすがに参ったオスマンはブタペスト宣言を受諾。ウィーン条約に調印しました
してその内容とは
主に、ギリシアの割譲って感じ
お、コンスタンティノープルが帰ってきたね
実際感無量ですわ
・後継者問題
さてこのように第二次大オスマン戦争も無事終結したのですが……
が
先述のように、カール二世は早逝してしまったので……
この後8年にわたる摂政政治が続けられます……
もったいない……
でもまあ、帝国改革を通しておいてよかったと感じます
どゆこと
通常、男児しか皇帝になれないのよね
世襲制改革が通ってはじめて、女性が神聖ローマ帝国皇帝に即位できる
次の主君は女性なのよ、女の子
おひょ~
マリアテレジアの治世 1725(1733親政開始)~1789
マリアテレジアさん7歳が神聖ローマ帝国皇帝に即位しました
ロマンがあるね。7歳の皇帝とかね
ね~
ところで
「Women in History」というDLCを入れていると
マリアテレジアさんがイベントで登場しますが
このマリアテレジアさんはランダム生成のマリアテレジアさんです
(どういうことだ……)
さて、彼女の能力ですが……
3/5/1
!
銀河皇帝マリアテレジアになれるね
実際名君
マリアテレジアさんのあだ名は?
あだ名は無い
!?
マリアテレジア、と言えば全て通じてしまうから……
(かっけえww)
・特権の剥奪
マリアテレジアさんが8歳のころ、すなわち1726
最も重要な帝国改革が実施されました
神聖ローマ帝国諸侯から、領主権力を剥奪する改革案です
この改革案が通ると、改革に賛成した諸侯は全て属国になり、反対した諸侯は神聖ローマ帝国を離脱します
でも見る限り、30の諸侯は全て改革に賛成っぽいね
うん。よかった
ハンザ同盟あたりがゴネると思ってた
帝国議会で無事改革案が通過
神聖ローマ帝国皇帝に対する臣従礼の儀式が厳かに行われ
北ドイツ、ネーデルラントの帝国諸侯を属国化しました
……属国多いね
外交関係数上限とか大丈夫なのかな……
改革を進めた皇帝の場合
HRE諸侯を属国化しても外交枠を消費しないっぽいです
ふーん
よくできてるもんだ
というわけで改革は残り一つ!
・オーストリア海軍の創設
親政を開始したマリアテレジアさん
その最初の事業は、海軍の創設でした
(!)
イタリア半島のドックをフル稼働させ、一気に艦隊を作り上げます
創設された海軍を用いて、北アフリカに残っていたチュニジアを攻めたところ
初の海戦が起こりました
勝ちました
(そりゃそうだ……)
伝統0の海軍ですが、まあ伝統は作れますしおすし
そだね
・欧州大戦
チュニジアを下し、地中海の内海率をアップさせたマリアテレジア
国内問題を解決し
地中海の制海権を安定させた彼女は
ついに外征を決断します
おお……その相手とは……?
フランス
そして研究の結果「Imperialism」とかいう謎の高性能()CBもゲットしております
しかし、相手にはオスマンがついてるのでは……
まあ
戦略というのもは
希少資源の配分に関わる意思決定ですから……
つまり?
この段階の希少資源は時間だからね
むしろフランスとオスマン同時に食えてうまうまですわ
参戦を渋ったイギリスを除いてほぼすべての欧州各国が参戦
さて大戦の経過ですが
マリアテレジアさんは陸軍を3つに分け、3つの戦線を個別に闘いぬきました
・フランス戦線
まず最初にフランス方面軍から
この戦域は、前回の戦争で国境沿いの要塞を放棄させたかいあって
占領自体は簡単です
問題はフランス軍を倒せるかどうか、か……
そう。会戦はこんな感じでした
大軍を投入したパリの戦いで勝利
相手のお世継ぎ将軍、ハプスブルク家なんですがそれは……
うん。フランス王家は現在ハプスブルク家
ちなみにスペインもそうです
身内バトルか……
さらに南仏における戦いでも敵野戦軍を撃破することに成功
フランス戦線における優位が確定しました
属国になったドイツ諸侯の働きはどう?
予想外に役立つ感あったわ
占領とかも手伝ってくれるしね
・スウェーデン戦線
さて次は北方の雄、スウェーデンとの戦い
北部方面軍9万は、エーレスンド海峡を渡りスウェーデンへの侵入を試みましたが……
このざま
ひどい……
完敗じゃないですか……
この敗報を聞いたマリアテレジアさんは
即座にスウェーデンとの単独和平を決断
今回はオーバーコミットを避けたようです
英断だなあ(棒読み)
・オスマン戦線
都合三回目のオスマン戦ですが
今回も上手く行った模様
素早く小アジアに浸透し、敵野戦軍を撃破した同盟軍の図
何をか恐れんって感じになってきたね
そしてこれを見て
おお
オーストリア海軍がボスフォラス海峡を制覇している
成長しますた(^o^)v
偉い!
そんなこんなでオスマン→フランスの順番で和平を結び
最終的にこうなりました
フランスの欧州領を完全併合+小アジア沿岸部を割譲、という成果を得た
この分だと、「地中海を内海にする」目標も達成できそうかな?
できるといいね~あと50年くらいだからあんま時間ないけど
・リノベーション
欧州大戦に勝利したマリアテレジアさんは
1745年
ウィーンにおいて帝国議会を召集
最後の帝国改革を実施しました
やったー
ついに目標達成ですわ
♡わあいわあい
国家ランクがエンパイアーになり
ドイツ諸侯領を継承しました
おお……
それと、継承後即宗教画面を開くと……
枢機卿めっちゃいるwww
おもしろい
ちなみに最後の改革を通してしまうと、これまでの改革の効果が消えてしまいます
場合によっては、属国化までで止めていおいたほうが有利な場合もあるかもしれません
ほほう
変態後の財政はこんな感じになりました
要塞維持費が高すぎたので
マリアテレジアさんは統一後、国内の要塞を、ウィーン大要塞と国境沿いのものを除いて
全て破却してしまいました
統一→城破壊のコンボか
しかしこうして見ると貿易全然ちゃんとやってないな……
まあ後半は金あまるしね……
・周辺地域の掃除
ここまでくれば神聖ローマ帝国は敵なしです!
地中海を内海にする目標に向けて、さらりと紹介していきます
まずはイギリス戦から
イギリス攻める必要無くない?
内海目標とブリテン島関係ないじゃん
伸びきった単縦陣を敷いていた王立海軍に対し、帝国海軍は複縦陣による突撃を敢行
敵艦隊を撃滅しました
すげーと思いきやこっちもかなりやれてるな
王立海軍は伊達ではなかった
しかしあやふやながらも制海権をゲットしたので、陸軍をそそくさと英国本土に送ることができました
結果パリ条約が締結され
こうなりました
ロンドン周辺州の割譲+スコットランドの独立と相成りました
これで西側列強はほとんど追い落とした感があるね
さらに停戦明けにもう一度戦争を起こして
ロンドン条約が結ばれました
これによって
本土からもお引き取りいただきました
あっけないもんだ
・イベリア半島事情
カタロニアを殴って併合しました
さらに、スペイン王家もハプスブルク家で
彼の王国におけるお世継ぎの継承権があやふや極まりなかったので
マリアテレジアさんはスペインの王冠を要求しました
この後戦争に勝利して
スペインを下位同君国家にしました
マリアテレジアさんの所有タイトル全部書いたらA4何枚分になるんだろうか……
また、ポルトガルに対しても2度にわたる戦争をしかけ、欧州から退場していただきました
アフリカ領は同君連合下にあるスペインに食べもらいました
節約大事
占領地とか和平交渉時の、プロビ選択UI改善、ありがたいです
・対オスマン
さてオスマン方面ですが、こちらも二度戦を起こしました
第三次オスマン戦争によって、旧東ローマ帝国領をほぼ回復しました
カイロまで取ったのね
そして停戦明け、即座に第四次オスマン戦争を起こし……
・マリアテレジアの治世
最終的に領土はこうなりました
すごいなあ。一代で欧州をほぼ全て平らげちゃった
これでとりあえず目標達成かな?
スペイン問題がねー
開始前に下位同君国家をどうするか問題を全く意識していなかったからねえ
スペインの統合にはどれくらいかかりそう?
1767年に同君国家にしたから
統合開始可能が1817年……
ゲーム終了が1821年……
ま、間に合うのだろうか……
フェルディナンド一世の治世 1789~1792
マリアテレジアさんの次はフェルディナンドさんの治世
その治世はわずか3年……早逝も早逝……
能力は?
4/4/6で歴代最高君主でした……
あるある
というわけで最後の皇帝は次のアルブレヒトさんになりました……
アルブレヒト七世の治世 1792~
ゲーム的な意味での最後の皇帝はアルブレヒト七世
能力は?
4/2/3
普通に名君だ
ね
彼の治世はどんな感じだったの?
彼は「啓蒙帝」と呼ばれているわ
啓蒙?
エンライトメントしてた
啓蒙君主強いなあ……
もっと早く採用しとけばよかった
それと、軍事的にいうと、北方戦争が起こりました
……
北方を平定した?
そう
スウェーデン、ロシア、コモンウェルスと一戦交えた結果、最終的にはこういう領土になりました
伝統的な同盟国であるコモンウェルスまで殴ったんですか?
しょうがない
(もっとなんかあるだろコメント……)
・統合
ところでスペインの統合は……?
1817年、統合を開始しますが……
どう考えても間に合わない!!
うーむ
ぶっちゃけ属国併合の感覚で間に合うかな―とか思ってたら
全然ダメでした
まあでも……
同君連合だし、統合自体は開始したわけだから……
いいってことにしよう(^O^)
ありがとう(´・ω・`)
完走&感想
というわけで、やっと終わりました……
1444~1820年、長い戦いでしたが、なんとかやりました
目標も一応(?)達成しましたしね
私も勉強になったよ!
まあ改革は
宗教改革が始まる前までにある程度進めておかないと、泥沼化する
というのが今回の教訓ですかね
でも逆に、後半になれば改革はかなりさくさくすすむよね
そうね
まあその辺はプレイ方針とかの問題でもあるかもしれない
最後に取得したアイディアを検討していきます
・アイディア
最初に取ったのは外交アイディアでした
オーストリアなら、というかどの国でもど安定でしょうか
めもめも
次に取ったのは量
なんで?
当時は
「どうせ質を伸ばしても二線級だから、むしろ長所である量を伸ばそう」
と思ってたけど
攻勢の方が良かったですね、多分
城落すスピードアップがでかい。あれがあると序盤がかなり楽になるはず
ほむ
三つ目のアイディアは宗教でしたが、これもあんまりいらなかった……
むしろ人道とっといた方が良かったかもです
このように、宗教的統一はともかく、分化がぐちゃぐちゃすぎて……
うわあ
まあEUは異文化ペナが軽いゲームなのでどうにかなりましたが……
でも量にしろ宗教にしろ
それを取ってたおかげで、マンパワーや宗教の問題で悩まずにすんだと考えれば
そ、そうね……まあ順番の問題だからねえ。後から人道も攻勢も取ってるし
四つ目のアイディアは管理、ですが
なぜ管理った?
傭兵めっちゃ使うという噂を聞いていたので……
まあこれはまずまず満足の行くアイディアだったかな
そして五つ目は影響!
これは外交的に色々やるオーストリアと相性いいのでは?
うん。実際よかった
六個目が攻勢
やはり攻城効率アップが美味しかったですねこれは
そして七個目は?
貿易を取りました……
なんでまた……
財政基盤を整えようと思いまして……
ちなみに最終的な国家予算
前回46(笑)だった貿易からの収入が、285になりました
いい感じじゃない
そして最後が人道
広がりんぐしすぎた帝国を安定させるために取りましたが、いい買い物でした
・おしまい
というわけで、一通りの紹介は終わったわね
うん
なんか楽しそうだねとなった!
でも……
どした
長い戦いが終わると、なんだか寂しいね……
分かる
一つの時代が終わったというかね……
このモヤモヤ感
ああ、続いていくんだなあと感じるとともに
やっぱり何かが終わってしまったんだなあとも感じる
寂しい
でも寂しさを胸に生きていこう
そう
うん
私たちのEU4はこれからだ!
こうして二人はいつまでも楽しく暮らしましたとさ
おしまいおしまい