【ネタバレ】君の名は。【あらすじ】

君の名は。」のあらすじ

プロローグ

 2013年、東京都心で暮らす中学生男子の立花 瀧は、電車に乗っていると、謎の少女から唐突に話しかけられる。瀧はその少女を不審に思い、「君の名は」と尋ねる。少女は「私の名は三葉」と応え、瀧に対して赤い糸を渡す。これが本作の主人公である瀧と、ヒロインである三葉の最初の出会いとなる。

 その時系列、2013年のある日、岐阜県のとある湖畔の町、糸守町に隕石が落下して、その町の住人が全員死んでしまうという「災害」が発生する。

 

前半 体が入れ替わっちゃった!?

 その3年後の2016年、東京の都心で高校生活を送る立花 瀧の生活に突然の変化が生じる。瀧が朝起きると、なんと先述した岐阜県の町に暮らす少女、宮水 三葉の体の中に、自分の人格が入り込んでいたのだ! これはその逆も然りの不思議現象で、2013年の三葉は2016年の瀧となる。3年の時間を超越した入れ替わり現象というわけだ。

 この入れ替わりは不定期に、かつ一日単位で起こる不思議な現象で、入れ替わっていた間の身体側の記憶は無く、人格側の記憶も徐々に消えてしまうというという設定。よって、二人は当初自分の中に他人が入り込んでいることを認識できず、周りの生徒たちの反応(お前昨日変だったぞ。まるで別人みたいだった)から自分の変化を知る。

 様子がおかしいことを悟った二人は、スマートフォンの日記機能を用いてコミュニケーションを取り始める。この方法が上手く行って、困惑しながらも、二人はよく知らない人間を演じながらの高校生活を送り始める。岐阜県で暮らす三ツ葉は東京での暮らしを楽しむ。アルバイトにカフェに。彼女にとって都会ライフは憧れなのだ。一方、東京都民ながら岐阜で生活することになる瀧は、「田舎」での女子高生ライフを楽しむ。以上の入れ替わり展開、およびスマートフォンの日記機能を用いた二人のコミュニケーションが、前半の甘酸っぱい青春パートとなる

 さらに青春パートに並行して、三葉と入れ替わって岐阜県生活を送る瀧は、徐々に三葉というキャラクターの背景を知ることになる。

 岐阜県の糸守町で暮らす三葉は、古くから伝わる巫女*1の家系出身者で、①特殊な糸の生産、②特殊な酒の生産、そして③生産した酒を聖地に捧げる、という3つの伝統を維持する義務を負っている。三葉と入れ替わった日の瀧も、これらの伝統行事を追体験し、神社経営に協力することになる。

 また、三葉の父は町長を務めているが、父と娘の関係は破綻気味であることも明らかになる。巫女の家系に対する入り婿であった三葉の父が、三葉の母の死後、神社経営を放棄して、政治の世界に進出したことが原因らしい。町長たる三葉父は神社的伝統を嫌っているが、長女の三葉は、言葉では神社的伝統を嫌いつつも、しっかりと行事はこなしているのだ。

 

後半 3年前の隕石落下から、あの子を救え!

 後半部はネタばらし編で、スマホでの日記コミュニケーションから、どうやら三葉が岐阜県民らしいということを突き止めた2016年の瀧が、新幹線で岐阜県に向かう。しかしここで、三葉の住んでいた町は2013年の隕石墜落という「災害」ですっかり壊滅し、三葉もすでに死んでいたことが明らかにされる。

 自分が入れ替わっていた相手、すなわち三葉が死んでいたことを知った主人公は愕然としたが、自分が2013年の三葉と入れ替わっていた時の記憶を頼りに、彼女の痕跡を探そうとする。具体的には、三葉の所属する神社の聖地(この場所は隕石落下の被害を免れていた)に奉納した特殊な酒を探そうとするのだ。

 なんとか聖地にたどり着いた瀧は、そこで2013年時点で三葉によって生産された特殊な酒を入手し、それを飲む。すると主人公は時間を超越することに成功し、隕石が落下する直前の、2013年の岐阜県糸守町に暮らす三葉の中に、再び入り込む。

 三葉と化した瀧は、同級生たちと協力し、隕石が落下する前に糸守町の住民を避難させようとするが、しかし、その試みは途中で頓挫してしまう。というのも、三葉(中身は瀧)は町長である三葉の父を説得し、町の消防団を動員してもらおうとするのだが、三葉父はその説得に応じなかったのだ。そればかりか、説得の際に三葉(中身は瀧)が父に対してキレたという理由で、三葉の中身が別人であることを父に看破されてしまう。

 この時点で避難計画は完全に破綻したかに思われたのだが、三葉と化した瀧はここでもう一度聖地に向かう。すると、聖地の力によって、入れ替わった二人はついに直接のコミュニケーションを取ることに成功する。

 このコミュニケーションが成功した背景には二つ直接的理由がある。一つは物理的な問題で、前述したように、2016年の瀧の身体は聖地にある。物理的な位置の一致はこれによって説明される。また、三年間の時間を超越したことの説明は、瀧が作中においてずっと身に着けていた赤い糸によってなされる。この糸が、実は2013年時点で瀧に会うべく東京を訪れていた三葉から譲り受けたものだったことが、ここで明らかにされる。前述のエピローグ部分が当該シーンだ。この糸は、伝統的な生産物で、時空を越える力を持っているので、瀧と三葉の直接的なコミュニケーションを助ける機能があったのだと思われる。

2013年、東京都心で暮らす中学生男子の立花 瀧は、電車に乗っていると、謎の少女から唐突に話しかけられる。瀧はその少女を不審に思い、「君の名は」と尋ねる。少女は「私の名は三葉」と応え、瀧に対して赤い糸を渡す。これが本作の主人公である瀧と、ヒロインである三葉の最初の出会いとなる。

 主人公とのコミュニケーションを終えた三葉は、自分自身の身体に再び帰ってくると、今度はまた町に帰って行った。そして父を説得し、町自治体の持っている人的・物的リソースを動員することによって、なんとか町民たちの避難を成功させる。隕石落下という「災害」の人的被害は、この避難によってほぼゼロに抑えられる。

 

エピローグ

 2021年の東京で暮らす就活生の立花瀧は、電車に乗っていると、隣の路線を走る車輌に乗った一人の女性に気を引かれる。なんとその女性は岐阜県糸守町から東京に出てきた、三葉その人であった。二人は再会し、お互いにこう尋ねたのだった。「君の名は」と。

 

*1:多分もっと厳密な言い方あるんだろうけど許せ