別のタイトルでやるべき知育映画 『10クローバーフィールド・レーン』感想

 

 

 娘による家父長制打破系映画なのだが、「クローバーフィールド」を期待して見に行った人がこの映画を見て激怒したとしても、それは彼または彼女が家父長制主義者だからではないだろう。いやね、ラスト10分くらいの展開の方を見たかった人からすれば肩透かしもいいところだろうというね。

 あとこの映画を見て思ったのは、なんとなくマインクラフトライクゲームっぽい「知育」的な要素があるなということである。最初のシーンで棒を様々な用途に活用したり、後半でガスマスクをクラフトしたりするシーンは実際知育ゲームっぽい。また、こういった知識の源泉が実は暴君たる父にあり、彼から継承したものであるというのも興味深い。父の従軍経験を娘が吸収したことで、彼女は自立した女性となり、外の世界でサバイブできるようになる。こうしてみると、実は単なる「絶対悪としての父」モデルの映画にはなっておらず、父の死にも一定の意味が与えられているわけで、そのあたりは童貞的にもちゃんと評価したいポイントだなと思った。