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人狼童貞を捨てた話

雑ネタ 童貞

人狼。それはリア充たちの宴。

人狼。それは非リア民にとって最後のフロンティアである。

ある経験

 私は小学生の頃から尖っていたので、当然キチガイ枠少年だったのだが(大体、お道化:真性=3:7くらいのキチガイ)、一度だけリア充グループと「ダウト」というゲームをプレイしたことがあった。

 ただ、小学校時代の私はダウトというゲームに対して異常と言ってもよい強度の憧憬を抱いていたから、せっかくゲームに参加させて貰えたのに、テンションが上がりすぎてひどいことをやらかしてしまった。

 どんなやらかしか。

 リア充たちの出すあらゆるカードに対してひたすら「ダウト」宣言をし始めたのだ。それもニヘラニヘラと笑いながら。

 あまりにも幸福すぎて、一度だけ言ってみたかった「ダウト!」と口に出せるのが嬉しすぎて、頬の筋肉を引きつらせながら、ひたすらダウト! ダウト!と連呼したのだ。

 その後私がリア充たちのダウト会に呼ばれることはなかった。

 っていうかそもそもダウトのルール知らなかった。

人狼の私的ゲーム理解 

 人狼というゲームの存在について初めて知ったのは、大学時代に知り合いが

「俺、人狼プレイしたんだ!」

 と言い放った時である。

 異常と言ってもよい強度の憧憬を抱いたのを覚えている。

 ルールについてはおぼろげには知っていた。なにやら、嘘をつくコミュニケーションゲームらしい。

 なんかダウトみたいだなと思った。リア充っぽいなと思った。

 誰もが相手のかぶっている仮面というフィクションを尊重し合うことによってかろうじて成立している社会で、その仮面をやさしく剥がし合うコミュニケーションゲーム、とは。

 やばい……これって、ほとんどセックスと同じじゃないか……。

 当時の私はそう思った。

 童貞なので俺には人狼は無理だな……となった。

 ただ、人狼に対する憧憬だけはあって、とりあえず人狼非童貞の人間に会うと「でもお前さ、人狼やっただろ!?」というウザ絡みをしていた。

人狼童貞は失われた

 だがそんな私にもついに人狼童貞を捨てることができた。

 これもひとえに、私を誘ってくれた某君のおかげである。心からの感謝を捧げたい。

 ちなみにこの感謝は誘ってくれたことへの感謝である*1

 さて、会場はジュクだった(ジャーゴンが分からない方向けの表現:新宿)。

 私は脳内で大体こんなことを考えていた。

 自己紹介ではこんなふうに自分をブランディングしよう!

 

「いやあ、僕、人狼やるのが人生の夢だったんです! 今日は夢が叶いました!」

 続いて、会場大爆笑。

  

 いいなと思った。

 こういう感じで非リアキャラをコンテンツ化していく先にウケが待っている。そうなんだ。

 だが、時がたつにつれて会場にはポツポツと知らない人間が集まってきた。

 人間がやってくる度に私の心は重くなった。

 知らん奴はキツイ……

 10人ほど集まったところで自己紹介となった。

 私は言った。

「えー。一度やってみたかったので、大変楽しみです。どうぞよろしくお願いします」

 続いて、会場拍手。

 いや、たしか拍手は無かった。

 ……あれ?

 本当はもっと悲惨な負荷をかけるつもりだった。人生がどうとか、非リアがどうとか。

 だが緊張のあまり想定していた発言すらできなかったのだ。

 なんというザコか。泣きたかった。

 ゲームが始まった。

 私は人狼になった。

人狼としての生き方とは

 童貞はセックスする段になったら確実にキョドるんだろうな、という印象がある。

 その印象に近い感覚だった。

 まさか、いきなり人狼とは……

 なぜか会話が始まった。

 「1ターン目はねー、やることないからねー」

 皆、口を開きはじめる。

 よくまあ愚にもつかないことをべらべらと喋るものだ。

 などといいつつ私は焦った。

 人狼たる私は何を喋ればいい? 

 嘘をつけばいいのか?

 あなたが好きですとか言えばいいのか?(意味不明)

 何もできないうちに、最初のターンが終わった。

 なぜかもう一人の人狼が吊し上げられた。

 かわいそうに……

 二ターン目が始まった。

「あなた、あまり喋ってませんよね?」

 と、いきなり集中砲火を浴びた。

 これが……迫害か。

 私はプロテストした。

「いいですか、ある人間があまりしゃべらない場合、それには二つの原因が考えられるんですよ。つまり、その人が人狼であるか、あるいはその人が単なるコミュ障かということです。私は後者ですよ」

 コミュ障というのは黙っている時ではなく喋る時にボロが出るものである。

 抗戦虚しく、あまりしゃべらない、という理由で私は殺された。

 他にも幽霊だったか心霊がどうとかいう謎の根拠付けがなされたが、まあ、あんま覚えてない。

 迫害の魔の手は私を追放することに成功したので、おかげで村は平和になった。

 私の人狼童貞は2ターンで終了した。

「あなた、声震えてましたからね」

 ゲーム終了後、誰かが言った。

 もし私が誰かとセックスをする時にも、きっと震え声なんだろうなと思った。

狂人の死

 何ゲームかやった後、私はついに狂人職を引いた。

 嬉しかった。

 というのも私は自他共認めるフリークスなので、常日頃から周りの人間にこう漏らしていたからだ。

「俺さーまじナチュラルボーンフリークスだからさー、人狼の狂人とかやったら絶対強いわ」

 心の準備ができていたので、私は開幕から「占い師カミングアウト」と呼ばれる戦術を取った。

 我ながら完璧な狂人ぶりだったと思う。

 するともう一人、本物の占い師が名乗り出た。

 瞬間、壊し屋としての血がたぎってきた。

 ちょうど小学生の頃、ダウトダウトと連呼してリア充のダウト会を壊滅に追いやったように……

 今回、私は平和な村を破壊するのだ!

 泣きだすほどの充実感が体中を走り抜けた。

 一日目の投票では、無実の第三者が迫害された。

 とても幸せだった。

 フリークス最高だと思った。

 だが次のターン、私は退場を宣告された。

 人狼たちが私を殺したのだ。

 ……は? となった。 

 フリークスは人狼の仲間である。

 アウトロー同士は必ず不思議な連帯感情で結ばれているものだ。

 どんな映画を見たって、開始20分で「はぐれもの」たちがチームを組むだろう?

 だが現実は非情だ。

 狂人は人狼と連帯する契機を奪われたまま葬られた。

 フリークスはこの残酷な世界の中で、たったひとりで生き抜かねばならぬのだ…… 

とってつけたように

 まあ、人狼、楽しかった。

 悔しいけど……悪くないものです。

 そして、私は人狼童貞を捨ててしまったので

 ここに人狼童貞伯爵の称号を放棄するものです。

 つまり、今後人狼非童貞に対して

でもお前さ、人狼やっただろ!?

 というウザ絡みをする権利を失ってしまった……といこと。

 悲しいような……寂しいような……うれしいような……

 以上、報告と宣言でした。

*1:マジでありがとうございました